古くは北海道や中国大陸にも進出 『越後長岡藩』『群亀』を造る関原酒造

日本酒を使ったフルーツリキュールなど、新しい取り組みも。

2018/02/06 22:00



■晩酌酒として親しまれる『群亀』

群亀

東京農大の醸造科で学んだ松原さんは、卒業後、東京の製菓会社に勤務。酒造りへの夢捨てがたく、その後、縁あって新潟に赴任してきた。現在は関原酒造の代表取締役であり、製造責任も担っている。

新潟は魚が美味しいから、お酒の造り甲斐がありますねと言うと、 「日本酒には魚の旨みを引き立てる成分が含まれているんですよ。生臭さを旨みに変えてくれるんです。ただし、一番上等の魚は築地に行っちゃいますけどね」と、醸造科出身ならではの答え。

「僕が新潟に来たときには120軒も酒蔵があったのに、今は90ですからね」と現状分析にもシビアだ。現代社会に受け入れられる酒造りを見つめ直すと、「辛口でリーズナブルな値段の酒」という結論に達したという。

「お陰さまで『群亀』レギュラー酒は、晩酌酒として親しまれています。量販店にも出荷しているのですが、現状は製造キャパシティが目いっぱいです。


というのも8年前に火災に遭い、貯蔵蔵が全焼してしまいました。そのため、貯蔵スペースが大幅に減ってしまった状態なのです」


そのため、以降は需要の高いものに絞って造っているそうだ。


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■造りのコンセプトはお客様に喜ばれる酒

群亀

「ここは信濃川の伏流水が豊富で、水に恵まれているんです。でも当社は高台にあるので、冬場は足りなくなることもあります」と、水事情について語る。

造っているのは甘辛のバランスのとれた酒。「障りなきこと水の如し」をモットーに、きれいな酒質の酒を目指しているという。

「日本酒の良さは食事に合うことだと思います。うちは昔ながらの辛口でふくよかな酒、きれいな酒質を良しとしてきました。昔からのものを受け継いで、地元のために造る、お客様のために造るという基本姿勢を貫いています」


また新しく開発したものに日本酒ベースのフルーツカクテルがある。ブドウの果汁感たっぷりの「白ぶどうのお酒」と、ライチの果汁感に満ちた「ライチのお酒」だ。

いずれもアルコール度数が低く、さっぱりとして飲みやすいのが特徴。「よく冷やして、ストレートまたはロックで楽しんでほしいですね」とのこと。

以下は蔵元お勧めのお酒だ。

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①『越後長岡藩 特別純米酒』
日本酒新潟県
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