和は良酒を醸し良酒は和を醸す 伝統の技で新潟淡麗の美酒をつくる『雪の幻』の蔵
ひとりではできない酒造り。チームワークを表す言葉が「和醸良酒」。
■目指すのは毎日飲んでも飽きない酒
朝妻酒造における現在の製造状況は、特定名称酒が60%、普通酒40%の割合。主力製品は大吟醸酒だが、蔵としてはリーズナブルな価格で毎日飲みたくなる酒が理想という。
「全体的なお酒の味わいとしては、世間でいわれている新潟の酒、淡麗辛口タイプです。毎日繰り返し飲んでも飽きない酒を目指しています」
販路は地元40%、首都圏60%だそうだ。地元の人にとっては飲み慣れた懐に優しい酒、県外の愛飲家にはこれぞ新潟を感じてもらえる酒を造れるのも、「良質の米」「清らかな水」「良いお酒を造る気候」に恵まれているからという。
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■和醸良酒をモットーに
会社のポリシーを尋ねると尾坂社長は、「人の和です。従業員が楽しく幸せに働けるから、皆様に親しんでいただける酒を造ることができると思っています」と語った。
まさしく「和醸良酒」。 和は良酒を醸し、良酒は和を醸す。和をもって醸された丁寧な酒は、飲む人たちの間にも和をもたらす、ということだろう。
「酒造りは肉体労働です。重い米袋の持ち運びもあります。蒸米をタンクまで移動する作業も容易ではない。また、1人の力ではどうにもならないことばかりです。
蔵人が一丸となって行動しなければできないから、和も生れる。その和によって良酒が醸されるのです。酒は百薬の長、十徳ありと言われています。社会にあって人間関係に疲れたときは、酒でコミュニケーションを図っていただきたいです。
私自身そんなに酒が強い人種ではなく、飲んだら赤くなる人間ですが、楽しくお酒を飲むことはできます。新潟で考案された『和らぎ水』をお供にすれば、酔いにくくなるし酒も進みますので、ぜひお試しください。」
そんな蔵元がお勧めする酒を紹介しよう。