激戦区長岡の地元で愛飲される『越乃白雁』 かつて天領だった米と良水を活かして

酒蔵が密集する長岡で、米と水にこだわり地元から愛される蔵。

2018/02/25 22:00



■美しく青く透き通る神秘の水


創業は1888年、大火によって焼失した酒蔵から酒造株を買い受けて、酒造りが始まったという。代表取締役社長の中川吉五郎氏は、蔵元としては3代目となる。

「父は本来なら4代目なのですが、戦時中は休業していましたから、私の祖父は蔵元にはならず医者をしていました」と中川専務が解説する。

建物は「明治蔵」「大正蔵」「昭和蔵」と増築が繰り返され、迷路のような蔵内は酒造りの歴史と伝統を物語る。 この蔵の中で、貯水タンクを満たしているのは西山丘陵からの湧き水だ。

内側が白いホーロータンクの中は、なんとも神秘的な青い色をしている。中川酒造には『越乃碧(あおい)』という銘柄があるが、その味わいを彷彿と思い浮かばせる澄んだブルーだ。

もちろん、全ての酒はこの水で醸される。青く見える水の秘密は解明されているそうだが、美酒の源はあえて謎めいたままにしたい。 酒蔵にとって水は大事な財産。

「新潟らしいきれいな酒、が基本です。飲み飽きしない、淡麗辛口よりやや味があるタイプですね。この水あっての『越乃白雁』といえます」


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■地元に愛される酒造り

越乃白雁

もうひとつの財産はコメである。ここはかつて天領地であり、献上米を作っていたという土地柄。良質なコメが獲れることはいうまでもない。

『越乃白雁』には、優雅で繊細な香りの大吟醸、華やかな香りと淡麗な味わいの純米吟醸、なめらかな中にもコクのある有機コシヒカリ純米吟醸、そして飲み飽きしない澄んだ味わいの特別本醸造、柔らかくきれいな飲み口の本醸造などがある。

これらはどれも、贅沢なまでにコメを磨きに磨いて造られている。しかも酒米は全て自家精米だ。レギュラークラスでさえ60%台の精米歩合。日々飲む酒の美味しさを大事にしている。

中でも圧巻は『越乃白雁 黒松』。蔵人たちも愛飲している晩酌酒だそうで、普通酒ながら精米歩合は60%を切っている。柔らかくてやや辛口タイプ、スッキリして飲み飽きしない。

「2017燗酒コンテスト」ではお値打ち熱燗部門で金賞を受賞した。 経営方針については「地元に愛される酒造り」だという。

本醸造系が主体で、出荷先は県内が80%。ほとんどが地元で消費されてしまうというが、それも納得の酒造りだ。

それではここで中川酒造お勧めの商品を紹介しよう。


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① 『越乃白雁 純米大吟醸』

越乃白雁

新潟県産酒造好適米の越淡麗を100%使用。精米歩合45%まで磨き、厳寒期に丹精込めて仕込んだ純米大吟醸酒。香りは華やかすぎない落ち着いた吟醸香、淡麗ながら口内でふくらむ上品な味わいが魅力の旨口タイプ。

香りと味わいのほどよい調和が楽しめる。少し冷やして飲むのがお勧め。


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② 『越乃白雁 純米酒』

越乃白雁

くせのないスッキリとした口当たりの中に、純米ならではのふくらみのある味わいを持たせた辛口タイプ。喉越しに甘みさえ感じるバランスの良い純米酒で、燗をすると甘さがスーッと消え杯が進む。

原料には五百万石と新潟県産米を使用。毎年行われている関東信越国税局の酒類鑑評会において、純米酒部門で優秀賞を受賞した。素晴らしくバランスのとれた豊かな味わいを楽しめる。


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③ 『越乃白雁 本醸造』

越乃白雁

酒造好適米のゆきの精で醸した、淡麗でやや辛口タイプのお酒。ぬる燗、または冷やで飲むのがお勧め。スローフードジャパン主催の燗酒コンテスト2015にて、お値打ち燗酒ぬる燗部門で金賞を受賞した。

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(取材・文/Sirabee編集部

日本酒新潟県長岡市
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