『バイプレイヤーズ』最終回直前 大杉漣役のこれまでをプレイバック
今夜最終回を迎える『バイプレイヤーズ』リーダー・大杉漣役の魅力とは
■みんなの意見をビシッと代弁
朝ドラ『しまっこさん』の話題作りのため、ユースケ・サンタマリアが監督を担当することになり、島ハウスを撮影に使いたいと言い出す。すると大杉は、島おじさんが雑に扱われていることから、「なんで貸さなきゃいけないの?」と、嫌がるみんなの気持ちを代弁。
「仏の光石」がとりなして撮影が入ることになるが、準備が始まるとユースケを呼び出し、「島ハウス撮影 鉄の掟」として
一、家具を傷つけない
一、騒音を出さない
一、22時完全撤収
を提示し「これ、絶対守ってもらうからね!」と、リーダーらしくピシッと言い渡す。
しかし、ユースケが「さっき閃いちゃいまして」と出番が増える提案をすると、全員が前のめりになる中でも真っ先に「それやるよ。やる。絶対やるよな?」と食い気味に言う大杉。
島マダムが出てきたときも、プロデューサーに交渉しようとしていたが、最年長のベテランなのに、いつも役に貪欲なのだ。
だが、ユースケは「島オスカー」を起用して、「島おじさんお休みで」とされると、前作でも披露した首フラフープで、暇を潰す。
とはいえ、シークレットゲストのコワモテ、悪役、クセモノ三人の個性派シークレットゲスト――コワモテ店長役の田中要次、その店の常連客1の緋田康人、常連客2の大倉孝二が登場すると、それぞれをツッコミながら気さくにお茶に誘う大杉。
また、衝撃的な展開で登場した大御所・里見浩太朗にも、恐縮しつつ「里見さん、中、ご覧になりますか?」と声を掛けるなど、年長者らしい気遣いを見せた。
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■ちょいダメなところがかわいい
改めて振返ってみると、前作からみんなを面倒に巻き込みまくりだし、最年長だけど子供みたいな言動も多い。でも、それが「しょうがないなぁ」という愛されポイントになっているのが、『バイプレイヤーズ』の中のリーダー・大杉漣だ。
突っ走って失敗し、みんなに責められて凹んだり、拗ねたりしている姿がかわいくて、なんだかんだ「じゃあ、やりますか」となるし、そんな様子にファンは萌える。
大の大人が真剣に突っ走って、喜怒哀楽を表に出す姿は、もしかすると子供が同じことをやるよりも、愛おしく映るのだ。
今夜の最終回は、クランクアップを間近に控えて予知夢のような夢を見た大杉が、「スタッフへの恩返しを決意する」という。これまでのパターンでいうと、きっとそれが原因で一騒動起きてしまうのだが、絶対に「かわいすぎ」な展開になるはず。
少なくとも、この最終回を見届けたいと願った『バイプレイヤーズ』ファンは、そんな姿を楽しみにしていることだろう。
「300の顔を持つ男」である大杉が、最後に演じるのが「大杉漣役」だなんて、できすぎだ。
でもそれは、多くの役に真摯に取り組んできた名バイプレイヤー・大杉漣に与えられた、芝居の神様からのご褒美に違いない。
最終回を前に、松居大悟監督はこうコメントを寄せている。
「20 日の夜に『僕ら勝手に芝居してるんで、松居さんの好きなように撮ってくださいね』って話したこと。
いつも現場の最初と最後に『監督、おはようございます』『監督、お疲れ様でした』と声をかけてくれること。
少年のような笑顔。お芝居に対する姿勢。仲間への想い。
僕にとって、あなたは、とてつもないスターで、憧れで、それなのに監督扱いしてくれて、僕はいつも、どうしていいかわからず、なんとなく笑っていました。
現実なんか塗り替えて、何度でも何度でも面白い芝居をしてもらっていいですか。
あなたがだいすきです。
おかげで一生やめられなくなりました。
5 話のタイトルは『バイプレイヤーより愛をこめて』にしました。
バイプレイヤーズスタッフを代表して、あなたに、愛をこめて。
オンエア、みてください」
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)