マンガ大賞2018は板垣巴留『BEASTARS』 登場キャラに扮して授賞式に登場
マンガ大賞の授賞式が、なんか違うものみたいになってる…
■私が鹿だったら、タオルはツノに
受賞作『BEASTARS』は、動物を擬人化したマンガ。肉食獣と草食獣が共存する世界での、動物たちの学園物語だ。
板垣先生が被っているのが、卵を産むバイトをしている雌鶏・レゴム。そして横の男性(担当編集)が、主人公であるハイイロオオカミの少年、レゴシ。
3次元でみると違和感があるが、作品を読んでみると、スッとその世界を受け入れられてしまうから不思議だ。ありえない話なのに、リアリティがすごい。
「マンガは読み返せるものだから、細かいディティールをしっかり詰め込んでいこう。例えば、私が鹿だったら、タオルは首や肩に巻かずに、ツノにかけるなって」と板垣先生が言うように、本当にその後動物が人の姿をしていたら、こう動きそうだな…と思ってしまう。
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■いつかはマンションを
写真でもわかる(?)通り、板垣先生はまだ若く、デビューしてからまだ2年ほど。
「もともとは美大で映画の勉強をしたりしていたんですけど、ものすごく大変なんだなと学生ながらにわかって。近いものを紙とペンで作れるなら…」と漫画家を目指したのだという。
『週刊少年チャンピオン』で今も連載中だが、意外にも「週に1度はお出かけする」くらい時間に余裕を持って楽しくお仕事している、と話す。
「書きたいことはたくさんあるって感じですね。週刊連載は、本当に1話1話面白くすることに必死なんで、その先のことは全く見えてないんです。
将来的には、いつかマンションを買いたいですね。今ちょっと、ボロボロのマンションに住んでるんで(笑)」
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■映像化への希望は「ボソボソ」
『響〜小説家になる方法〜』も実写化が決まっているなど、マンガ大賞の受賞作品は映像化されることが多い。『BEASTARS』も実写化やアニメ化するなら? と問われ、板垣先生は「実写化は無理だよなとみんな思うので」と即答。
「人間っぽい、生々しいキャラクターが多いと自覚しておりますので。アニメ化するならば、あまり誇張しない演技がいいなと。
(絵を作成した)アニメーターさんに声を当ててもらっても全然いいなって思うくらい。自然体でボソボソっと喋ってくれる人たちにやってほしいな」
と希望を語る。
「みんながみんな、一生懸命生きている作品なので、誰かしらに情が湧くんんじゃないかと思います。1巻は絵がめちゃめちゃ雑なので、2巻まで読んでください(笑)」という、板垣先生。
興味を持った人は、まずは2巻まで読んでみては。一気に『BEASTARS』の世界にはまってしまうかも。
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(取材・文/しらべぇ編集部・たつき あつこ)