大相撲・八角理事長、不適切アナウンスを謝罪 「命より伝統」の旧体質に批判殺到
人命救助で土俵に上がった女性に対し、行司が土俵から降りるようにとアナウンス。日本相撲協会の八角理事長が事態を謝罪した。
日本相撲協会が、また世間を騒がせた。伝統を重んじるあまり、優先すべきことを見失った行司の言動に、批判の声が殺到している。
■「女人禁制」の土俵
事の発端は4日、京都府舞鶴市の舞鶴文化公園体育館でのことだ。大相撲の春巡業の土俵上で、挨拶をしていた多々見良三舞鶴市長(67)が突然、倒れ込んだ。
すぐに、スタッフを含む複数の人が市長のもとへ駆け寄り、そのなかで、救命救急の心得がある女性が心臓マッサージを開始。
相撲協会関係者によると、この様子を見た観客の一部が「女性が土俵に上がっていいのか」と声をあげ、それを聞いて慌てた行司が「女性の方は土俵から降りてください」と2回続けてアナウンスしたという。
応急措置のあと、病院に救急搬送された多々見市長は命に別状はなく、意識もあって会話できる状態だと、舞鶴市役所が発表している。
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■八角理事長が謝罪
今回の「場違いアナウンス」に対し、日本相撲協会の八角理事長(54)が謝罪のコメントを発表。
八角理事長は、多々見市長へのお見舞いと、応急措置を行った女性へのお礼の言葉を述べてから、「行事のアナウンスが、人命がかかわる状況には不適切な対応だった」とお詫びの言葉で締めくくった。