ボランチ、アンカー、ウィングバック…? サッカー用語を知ってW杯に備えよう
FIFAワールドカップ・ロシア大会が6月14日にとうとう開幕した。ルールや用語を知って、サッカー中継をより楽しもう。
■ポジションの呼び名が難しい
それよりも難しいのが、選手のポジションを表す用語だろう。サッカーの戦術が歴史とともに複雑化していった中で、ディフェンダー(DF)、ミッドフィールダー(MF)、フォワード(FW)の3分類だけでは説明しきれなくなってきたことが原因だ。
「センターバック」や「サイドバック」などは名前の通りなので類推もできよう。しかし「ボランチ」だの「アンカー」だの「シャドー」だのと言われても、何がなんだか分からないというのが普通の人の感覚だ。
実際問題として、「ポジションそのもの」を示す言葉と「役割」を表す言葉が混在しているのが実情であり、それがより難易度を上げてしまっていると言っていい。
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■用語解説
実況などでよく使われる難解な用語を以下に一覧で示す。もっと詳しく知りたくなったら、各自ネット検索などで理解を深めていってほしい。
<DF>
センターバック:ディフェンスラインの中央を守る、守備の要となる存在。代表では吉田麻也などが務める。
サイドバック:ディフェンスラインの両翼を守るが、4バック(DFを4人並べる陣形)の際は攻撃時に敵陣深くへ上がっていくプレーも要求される。長友佑都など。
<MF>
ボランチ:守備的なMFの総称。最近では中盤の底を2枚(2名)で担当する際に使われることが多い。その場合「ダブルボランチ」などと呼称される。長谷部誠など。
アンカー:意味的にはボランチとほぼ同じ。現実的には、中盤の底が1枚ならアンカー、2枚ならボランチと呼ぶ、くらいの認識でいい。
ウィングバック:両翼のMF。役割としてはサイドバックに似ている。3バックの際に登場し、4バックのときには該当者がいないケースが多い。
インサイドハーフ:攻撃的なMFで、フィールドの中央寄りに位置取る。香川真司など。
サイドハーフ:攻撃的なMFで、両サイドに位置を取る。近年ではウィングと呼ばれることもある。原口元気など。
トップ下:トップ(FW)の選手の下(後ろ)に入る攻撃的なMF。司令塔とも呼ばれ、パスセンスと攻撃力が求められる。本田圭佑など。
<FW>
ウィング:トップの選手の左右に位置する攻撃の選手。前述したサイドハーフの選手がこの役割を持つケースも多い。
シャドー:トップの選手の影(シャドー)に入って攻撃を補佐する。「トップ下」との違いがよく取り沙汰されるが、ポジションというよりも役割を表す。トップ下の選手がシャドー的な働きをするケースも多い。
トップ:センターフォワードとも呼ばれる攻撃の要。最前線に位置し、得点を奪うことが主な仕事となる。大迫勇也など。
なお、サッカー用語は「生きて」おり、時代とともに意味を変えるだけでなく、地域によっても違う。ここで説明した例は、主に日本においてそういう意味合いで使われるケースが多いに過ぎない、ということを覚えておこう。