メタル一筋で還暦を迎えた男 ANTHEM・柴田直人の自伝が新事実満載でスゴすぎる
ジャパニーズ・メタルの重鎮、ANTHEMの柴田直人がその前半生を語った自伝を出版。
■「柴田直人像」の真実とは
常見:拝読して、柴田さんは優しい人なんだと思いました。
柴田:え〜、ありがとうございます(笑)。
常見:さらに言うならば、そうか、こんな強そうな人が、こうも思い悩む日々を送ってきたのか、と。
メディアがこれまで伝えてきた、強くて怖い柴田直人像というか、独裁者で、スパルタで、「ANTHEMは体育会か、軍隊みたいなバンドだ」みたいな話がいかに嘘だったか、みんな気づくのではないか、と(笑)。演奏のミスをしたら腕立て伏せ100回とか、全部ウソだった、と。
柴田:そういうことを書かれるたびに、「あぁ、みんなそうやって僕のことを見ているのか」と、いろいろ考えましたけどね(苦笑)。まぁ、そういう噂などによってANTHEMや僕が知られるようになったんですけど。
それらの一部は事実ですよ(笑)。たとえば、ライブ終了後、すぐに振り返りのミーティングをやっていたのは本当ですよ。でも、激しく怒号が飛び交ったとか、反省会で腕立て伏せをさせたという話は、さすがに嘘です(苦笑)。
揺るぎないことがあるとすれば、音楽というものに対して僕もANTHEMもとことん真面目だったということですね。
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■真面目さのルーツは…
常見:この自伝は、その真面目さのルーツもわかって、興味深いです。じつはご実家は経営者一家で、お父様が旅館を、お母様が美容室を経営していたとか。
柴田:もともと餅などを売る和菓子屋だったのを、祖父母や両親が広げていったんですよね。父はいつも理論的で石橋を叩いて、壊しても渡らないタイプ。逆に母は思いついたら何であれ即行動の人でした。
親の背中を見て育ったので、商売の厳しさのようなものを自然に学んだように思いますね。僕のサービス精神旺盛さというのも、家族からの影響かもしれませんね(笑)。
常見:そう、柴田さんはサービス精神旺盛な方ですからね。ANTHEMのライブは客電がついて、終演のアナウンスがあっても、ファンが残ってアンコールを求めていると応えてしまうという…。
日本のメタルバンドのライブ時間が長くなっているのは、ANTHEMが基準になっているせいだという都市伝説(笑)。
柴田:今は、ANTHEMよりも遥かに長いバンドもいますけどね(笑)。