「不透明感をなくしたい」JASRACが新体制発足 その主張は正当か?

新体制が発足したJASRAC。その主張に国民の声は…?

2018/07/13 10:30

(Furtseff/iStock/Thinkstock)

6月28日、日本音楽著作権協会(JASRAC)の新体制が発足した。2期目に入る作詞家のいではく氏に加え、浅石道夫理事長も留任。さらに新役員も決定し、新たな船出となる。


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■著作権料取り立ての正当性を主張

7月10日に行なわれた新体制発足に伴う記者会見では、いで氏がJASRACの現状について「音楽使用料を取り立てるイメージばかりが先行している」と発言。

「正しく分配をしていると説明してきたが、それが浸透していない」などと話し、「世間の人たちが感じているような不透明感をなくしていきたい」と抱負を述べる。

さらに、批判を受けた音楽教室からの著作権料徴収については「権利者の立場からの発言」とした上で、「授業料をとって商売でやっている。仕入れのない商売はなく、音楽教室の仕入れは実際に演奏される音楽にあるはずで、仕入れ代を払うのは当然」と主張した。


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■JASRACの主張をどう思う?

音楽教室からの著作権料徴収で、厳しい批判に晒されたJASRAC。最近は美容室や飲食店についても「音楽を使用していながら著作権料を支払っていない」として提訴に踏み切り、物議を醸している。

批判の一方で、権利者に利益を分配していることなどから「作詞・作曲者の権利を守るのは当然」と、その主張を支持する声も。

そこで、しらべぇ編集部が全国の20代~60代の男女1,342名に「JASRACの主張」について調査したところ、「主張に共感できない部分がある」と答えた人は37.3%。

多くの人は、JASRACの主張に正当性を感じているようだ。


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■性別で意見に差が

男女別で見ると、意識にはっきりとした差が出ている。

男性の45.9%が「共感できない部分がある」と答えたが、女性は28.8%と低めだ。

男性より女性のほうが、小さい頃から習い事などで音楽に関わる機会が多いイメージがあるが、だからこそ「著作権料は支払うべき」という主張に納得しているのだろうか。

一方男性は、「取り立てている」感を強く感じているのかもしれない。


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■それぞれの主張は?

共感する人、出来ない部分がある人、それぞれの意見を聞いてみた。

<共感する人>

「人が作曲したものを使っている以上、やっぱり使用料は払うべきかなと。音楽教室の件も批判されてはいますが、楽曲を使用して音楽を教え、それで収入を得て生活しているわけで。作曲家が『俺の曲で勝手に商売するな』と不満を感じるのは当然でしょう。


私は、ある程度料金を支払うのが、筋ではないかと思います」(30代・女性)


<共感できない部分がある人>

「飲食店や美容室、音楽教室もそうですが、なぜ最近になって突然そんなことを言い出したのか。CDが売れなくなったから『取れるところから取ろう』としているようにしか見えない。


音楽教室は未来の音楽家を育てる施設ですから、取る必要はないと思う。街から音楽が消えたら若いクリエイターは世に出づらくなるし、『あの曲良いな』と思う機会も確実に減る。


『無償でいい』アーティストもいるはずですし、その主張も汲むべきでしょう。結局、一部のお偉いさんが、自分の収入を守るためにやっているだけ」


さまざまな声があるJASRACの主張。理解が広がっている感はあるものの、まだまだ批判も多い。このような声に対し、今後どう対処していくのか注目だ。

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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2017年6月2日~2017年6月5日
対象:全国20代~60代男女1,342名(有効回答数)

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