梨園の娘・春本由香が『犬神家の一族』に 兄・尾上松也は「父親のような存在」
歌舞伎俳優の父と舞台女優の母、兄はテレビでも活躍中の尾上松也さん。芸能一家で生まれ育ち、自身も舞台女優である春本由香さんに、11月から上演される舞台のこと、家族のことを聞いた
父親は歌舞伎俳優の六代目尾上松助、母は劇団新派で活躍した河合盛恵、兄は歌舞伎俳優の二代目尾上松也…と芸能一家のひとり娘として生まれ育った、春本由香。
幼少期から日本舞踊に触れ、成人してからはモデルや歌手活動などの経験を経て、2016年7月「劇団新派」に入団。同年9月「婦系図(おんなけいず)」で初舞台を踏んだ。
今年130周年を迎えた「劇団新派」は11月1日から特別公演『犬神家の一族』が上演される。しらべぇ取材班は幕開き直前の春本に、今まで歩んできた道のりをはじめ、家族の話、舞台への意気込みなどを伺った。
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■日本舞踊、モデル、ライブハウスでアニソン
歌舞伎役者である父親や兄・尾上松也の舞台を鑑賞し、歌舞伎に憧れる気持ちはあったというが、それまで興味のあるジャンルへ挑戦。現在25歳の春本が、本格的に舞台女優として活動したいと思ったのは20歳頃だという。
春本:幼少期に、舞台に出させていただいたこともあるんですが、15歳くらいのときからはモデルをやったり、その後歌手としてライブハウスでアニソンのカバーを歌ってたりしておりました。私、す~っごくアニメおたくなんですよ。意外だと言われるし「意外」って言われることはすごく嬉しいんですけど(笑)。
今まで、父や兄の歌舞伎を鑑賞する機会は多かったし、舞台への憧れはありました。ただ、本格的に舞台で演じたいと思ったのは20歳くらいからでしょうか。
その想いを家族に話したりしている中…2015年、兄が出演したミュージカル『エリザベート』に出演が決まったときに、「芝居に興味があるなら付き人をして、勉強してみないか」って言ってくれたんです。兄の付き人として、間近でお芝居に触れたことで、より一層興味が沸いたので、母に相談しました。
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■母親に相談し、劇団新派へ入団
実は、春本の祖父も母親も「劇団新派」出身の役者。しかし、祖父は幼いころに亡くなり、母親も兄が産まれた際に辞めてしまったことから、存在は知っているものの、舞台を観に行ったこともなく、話を聞く機会もなかったそうだ。
春本:「ちゃんとお芝居をしたい」と相談してから「劇団新派」の話を聞いたり、母の昔の写真を見せてもらったりしましたね。話を聞いているうちに魅力も感じましたし、祖父も母もかつて「新派」にいた役者さんだったこともあって、「ここで頑張りたい!」という気持ちが強くなりまして、今に至ります。
もちろん、ちゃんとしたお芝居をするのは「劇団新派」に入団してからがはじめてですし、必死ですが色々な役をやらせていただけるので、楽しさも感じています。