韓国「徴用工・賠償問題」で個人的請求権はあるのか? 政府・野党代表それぞれの発言は…
韓国最高裁が損害賠償を認める判決で、政府は猛反発。野党は発言に温度差も。
10月30日、韓国の最高裁判所は、日本がアジア・太平洋地域を侵略した太平洋戦争中に、「徴用工として日本で強制的に働かされた」として、韓国人4人が新日鉄住金に損害賠償を求めた裁判で、賠償を命じる判決を言い渡した。
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■安倍首相「国際法に照らしてありえない」
安倍晋三首相は同日、官邸で記者団に対して、元徴用工の請求権について「1965年の日韓請求権・経済協力協定によって完全かつ最終的に解決している」と述べ、「判決は国際法に照らしてありえない判断だ」として、全面的に拒否。韓国を非難する姿勢を示した。
また、安倍首相は1日午前の衆院予算委員会で、原告となった元工員4人について、「政府としては『徴用工』という表現ではなく、『旧朝鮮半島出身の労働者』と言っている。4人はいずれも『募集』に応じたものだ」と指摘した。
今後の日本政府の対応については、「あり得ない判決で、国際裁判も含め、あらゆる選択肢を視野に入れ、毅然と対応する。日韓の間の困難な諸課題をマネージするには韓国側の尽力も不可欠で、判決への韓国政府の前向きな対応を強く期待する」と述べた。
菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、「わが国は韓国に対し国際法違反の状態の是正を含め、適正な措置を講じるよう強く求めており、韓国政府の対応を見極めたい」との認識を重ねて示した。
その上で適切な措置が取られない場合は「国際裁判も含め、あらゆる選択肢を視野に入れて毅然とした対応を講じる」と強調した。
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■立憲・国民は韓国に遺憾表明
立憲民主党の枝野幸男代表は10月31日の記者会見で、韓国の元徴用工をめぐる訴訟で日本企業に賠償を命じた韓国の最高裁判決について「判決は大変、残念であり、遺憾に思う」と述べた。
そして、枝野氏は「韓国政府には、1965年の日韓請求権協定を踏まえて適切な対応を取ることを強く期待している」と語った。
同党の福山哲郎幹事長は6日の会見で
「日韓請求権協定により、国同士の取り決めがあった中で韓国の最高裁が今回の判決になったことは、残念に思っている。韓国政府もこれについてよく理解をしているはずですし、苦慮していると思いますので、冷静な対応を求めたい。
戦前の問題として反省をしなければならないということもあるが、そのことも含め、国家の取り組めがあったと理解している」
と述べた。
また、国民民主党の玉木雄一郎代表は11月7日の会見で「個人的請求権はあるかないかは様々な説があるが、1965年の請求権協定により、国家間の問題は解決済みであり、仮にあったとしても、韓国政府において、対応すべき問題で、日本の政府が義務を負うものではない」と述べている。