天皇陛下、85歳を祝う一般参賀に平成最多の8万人 全国の被災者を深く案じるお言葉も
来年の退位を控え、12月23日が「天皇誕生日」なのは今年が最後。数多くの人々が一般参賀のため皇居を訪れた。
天皇陛下の85歳の誕生日を祝う一般参賀が23日、皇居で行われた。
陛下の退位が2019年4月30日と決まり、最後の天皇誕生日ということもあり、この日の参賀者数は平成で最多だった昨年の5万2300人を大幅に上回り、平成最多の8万2850人が訪れた。
画像をもっと見る
■両陛下が参列者に挨拶
陛下は午前中に3回、皇后さまや皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻と長女眞子様、佳子様とともに宮殿・長和殿のベランダに立ち、お言葉を述べられた。陛下のお言葉は以下の通り。
「誕生日にあたり、大勢の皆さんからこのように祝意を受けることを誠に嬉しく思います。今年も残念なことに各地で災害が起こり、これにより家族や親しい人を失い、あるいは被害を受け、今も不自由な生活を送っている人々のことを思い、深く案じています。
冬至が過ぎ、あとわずかで新しい年を迎えます。明けてくる年が皆さんにとり、明るい良い年となるよう願っています。皆さんの健康と幸せを祈ります」
関連記事:平成最後の「今年の漢字」が発表! 「縁起は悪いけど…」「これは納得」
■「平成の終わり」は来年末に実感か
里見日本文化学研究所所長で、月刊『国体文化』編集長で、亜細亜大学非常勤講師の金子宗徳氏は午前の一般参賀に参加し、次のようにコメントした。
「日本国憲法の制定から70有余年、さらには明治維新から150年が経過し、戦後日本の社会システム、ひいては明治以後の近代国家が転機を迎えつつある今日、平成最後の天皇誕生日を迎えることに深い感慨を覚える。
バブル崩壊に端を発する経済不況と阪神大震災・東日本大震災を始めとする災害に象徴される30年間だったが、今上陛下の御聖徳ゆえに辛うじて『平成』が保たれてきたように思えてならない。
昭和天皇の崩御に伴って今上陛下が即位された際には天皇誕生日だった4月29日は『みどりの日』として残された(後に『昭和の日』と改称)が、今回の御代がわりに際して『平成の日』を制定しようとする動きはなく、来年から12月23日は祝日ではなくなる。
来年の年末、12月23日を平日として迎えた時、私たちは改めて『平成の終わり』を実感することになるのだろう」
・合わせて読みたい→『新語・流行語大賞』の結果に疑問の声 「山口メンバーは?」「平成最後は?」
(取材・文/France10・及川健二)