避妊失敗や性暴力から女性を守るアフターピル 市販化見送りに嘆きの声「なんでないの」
女性が自らの体を守る手段のひとつ「アフターピル」のOTC化(市販薬化)をめぐり、様々な議論が起きている。

「アフターピル」をご存知だろうか。妊娠を回避するために性交後に女性が服用するピルのこと。避妊失敗のときや性暴力被害にあった場合などに、女性が自らの体を守る手段のひとつなのだ。
また、イベントの多い年末年始は、アフターピルの需要が高まる時期だと言われている。しかし現在、アフターピルのOTC化(市販薬化)をめぐり、様々な議論が起きている。
■欧米から遅れすぎ、日本のアフターピルの普及
欧米では、アフターピルは「安全性が確認された」として市販薬として薬局で買えるのが一般的。アメリカの一部大学では、保健室でもらえたり構内の自動販売機で購入できたりもする。また、薬局では処方箋がなくとも1,000円程度で購入できるものだ。
日本でアフターピル(ノルレボという薬)が認可されたのは2011年。ホルモン剤の一種で、避妊効果は100%ではないものの、性交渉後72時間に服用することで妊娠の可能性を下げることができるとされている。
しかし、婦人科でも保険適用されておらず、処方箋が必要で1回1万5,000円~20,000円ほど。さらに、処方してくれる病院は都心に集中しているため、お金を握りしめて婦人科や産婦人科に駆け込んでも、取り扱っていないことも多いのが現状だ。
つまり今の日本は、世界の避妊や性教育で大きく遅れていることがわかる。
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■2017年、市販薬化への検討を行った結果…
以前から、一般の人や性暴力の被害者を支援する団体などから、アフターピルをOTC化してほしいという声は挙がっていた。
「避妊や性に関して 頼れる情報、性の健康を守る環境も選択肢も、とっても限られているのが、今の日本」との思いで立ち上げたサイトや、ツイッターでは「#なんでないの」と声を挙げ、その中にはアフターピルのOTC化を望む声も多く見られる。
これらの多くの要望を受けて2017年、厚生労働省の検討委員では、OTC化に向けた検討を行った。
しかし、日本産科婦人科学会や日本産婦人科医会から選出された委員たちから、「性が乱れる恐れ」「安易な使用が広がる恐れ」などの反対意見が出され、アフターピルのOTC化は全会一致で否決、見送られた。