松坂投手への「ファン接触」問題 その違法性や球団の責任に対して弁護士が直言
ファンとの接触が原因で肩に違和感を覚え、ノースロー調整が続いている中日・松坂投手。こうしたファンの行為の問題点についてレイ法律事務所・山本健太弁護士が指摘。
スポーツ、とくにプロスポーツは、選手を支えるファン無くしては成り立たない。そのため、選手はファンに感謝し、ファンのことをリスペクトしている。
他方で、スポーツは、最高のパフォーマンスでファンを魅了する選手あってこそ成り立つもの。そのため、選手は褒め称えられ、ファンからリスペクトされる。そんな中、この度とても悲しいニュースが舞い込んできた。
■松坂投手がファンと接触
中日ドラゴンズ所属の松坂大輔投手がファンと接触した際に右腕を引かれ、右肩の違和感を訴えたため、しばらくノースロー調整を続けると発表されたのだ。日本野球界に復帰し、調子を上げてきていた松坂選手にとっては、まさかの2019年のスタートとなった。
これまでも、ファンによる、過剰な選手との接触により、選手の身体に危害が生じ得る場面が問題視されていた。
例えば、西武ライオンズ本拠地での勝利後のファンサービスとして、選手が客席の階段を上りながらファンとハイタッチを交わすというものがあるが、その際、一部ファンが山川穂高選手の所持していたタオルを奪うというトラブルが起きた。
この時は、山川選手は動じることなく、その場を後にしていたが、もし、タオルが引っ張られて、山川選手がバランスを崩し、ねん挫でもしていたら、松坂選手と同様に大惨事になっていた可能性もある。
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■悪質なファンには刑事罰の可能性も
選手との過度な身体接触については、刑事上の問題として、暴行罪、傷害罪、もしくは、過失傷害罪の成立の可能性がありうる。また、民事上の問題として、不法行為に基づく損害賠償請求の可能性がありうる。
これらの行為は、選手に対するリスペクトを欠く行為と言える。
選手に対するファンからの過剰な接触が続くようであれば、球団としては、選手とファンとの接触を著しく制限し、場合によっては、ハイタッチ等の直接的接触は一切禁止することも検討しなければならないかもしれない。
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■球団には安全配慮義務
もし、このような過剰なファンの対応が予想されるにもかかわらず球団が選手を守る措置を講じない場合は、球団と選手との間の契約の付随的な義務として考えうる安全配慮義務違反が生じると考える余地もある。
ファンとスポーツは切っても切れないものであり、選手はファンをリスペクトしている。そのため、選手はファンのためにファンサービスを実施している。他方で、ファンも選手にリスペクトの念を抱いた接し方をしなければならないのは言うまでもない。
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(文/レイ法律事務所・山本 健太(弁護士))