辻元清美議員の「外国人献金問題」をめぐるメディアの無茶な論理とは
辻元清美衆院議員に外国籍の弁護士から献金があった問題について、一部メディアが連日報じている。その背景にあるものとは…。
6日から夕刊フジが連日、立憲民主党・辻元清美国対委員長への外国人献金問題を追及している。記事によれば、「立憲民主党の辻元清美衆院議員の政治団体が、外国籍の男性弁護士から献金を受けていた」とか。
献金を受けたのは2013年と2014年の2回。問題視された献金の額は2013年に1万円で2014年に1万2000円とごく少額だ。まず、なぜ外国人の献金を見抜けなかったのだろうか。
■日本人でも一般的な姓名
献金したのは、在日三世の弁護士。じつはこの人物は、名字・名前が「日本人でも一般的にある姓名」で、それだけでは外国人と見抜くのは到底不可能なのだ。
夕刊フジは連日追究しているが、献金者を匿名で報じているため、この肝心要の点を意図してかせざるかは分からないがスルーしている。
さらに、男性が使った振込用紙には「寄付金は外国籍の方からはできません」旨、記載されていたし、会報やホームページでも「外国人からの献金はいただけない」と周知してた。
辻元議員はその後に男性が外国籍と判明したため、2013年分は本人に返却し、2014年分は国籍を問わない「後援会会費」に訂正した。
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■後援会に外国人が入るのは合法
一連の報道について、全国紙記者は語る。
「2013年の寄付の時点では担当者は気づきませんでした。その担当者が退職して2014年に男性が後援会費を払ったのですが、寄付金に変えてほしいと要求があった。
新しい担当者は男性の名前に聞き覚えがあったために、『大変失礼ですが、日本国籍をお持ちですか』と尋ねて違うと答えたので、外国人も認められる後援会費とした。
後援会に外国人を拒否している国会議員は聞いたことがありません。むしろ、合法的であるのに、『外国人お断り』になれば、逆に差別として問題になる可能性もある。外国人が後援会に入るのも問題視するならば、法改正を求めるべきでしょう」
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■岡田氏「見抜きようがない」
筆者は15日に、無所属議員の岡田克也氏に今回の件に見解を求めた。岡田氏は、
「私も外国人の方は献金できないと明記しています。日本名で献金されたら見抜きようがない。これは与党・野党議員に共通する課題だと思いますよ」
と述べている。やはり、執拗に追究するメディアの報道は異常のようだ。
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(取材・文/France10・及川健二)