阪急電鉄の『はたらく言葉たち』広告が炎上 「押し付けがましい」と批判で中止に
阪急電車内に『はたらく言葉たち』の広告が起用され、ネット上で物議を醸している。
「50万円の生きがいのある仕事と、30万円だけど楽しみで行くのが仕方ない仕事ならどっちがいいか」。
これは、阪急電鉄(大阪府)の電車・阪急電車内で掲示されている広告の趣旨だ。この広告をめぐり、ネット上で物議を醸す事態に発展している。
■50万円でも生きがいのない仕事
阪急電車の京都・神戸・宝塚線では、6月1日から「はたらく言葉たち」と題した広告を電車内に吊り下げている。阪急電鉄と、『はたらく言葉たち』を出版したパラドックスが共同で「ハタコトレイン」を企画。上記の本から採用した80種類を広告として起用した。
パラドックスは広告を使った意図について「これまでに集めた『はたらく言葉たち』をより多くの働く人々に紹介するため」としている。
このなかで「毎月50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか」と80代の研究員が発案した広告があり、ネット上で議論が巻き怒っている。
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■50万円あれば…
ネット上では、この広告をめぐり、疑問が噴出している。
「最近の若者からすると 毎月30万(額面)貰って生きがいの無い生活を送るか 20万で余裕の無い生活をするか の間違いでは」
「これは実感として醜い? 押し付けがましい感じがしております」
などと否定的な声がある一方で、
「50万もらって生き甲斐見つけて人生楽しみます」
「僕は50万を選ぶ」
といった声も。世の中の多くの人々は、50万円どころか30万円ももらえていないことに不満や憤りがあり、そうした背景から今回の広告が「炎上」する事態に陥った。
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■意図を取材してみると
今回の広告の意図に阪急電鉄に聞くと、あくまでパラドックス側が選んだものを確認し、「働く人の応援メッセージになれば」と思い広告掲載に協力した、としている。そこでパラドックスが80代の研究員の言葉を起用したことに聞くと、以下のように答えた。
「数字はあくまでも具体例で用いているだけで、給与の高さよりも仕事のやりがいを大事にするという価値観もあるということを伝えたい言葉の意図で選出しました。この数字によって、不快な思いを感じさせてしまうこととなり、大変申し訳なく感じております」
ネット上での反応については、「働くことについて、色々な意見が出てくるのは当然だと思います。これをきっかけにはたらくことに対しての様々な議論が生まれるといいと考えておりましたが、ご不快な思いをおかけしたことについては、申し訳なく考えています」としている。
なお今回の批判を受け、この広告は11日から掲載中止になるという。
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■好きなことを仕事にできている人は
しらべぇ編集部では、全国の20~60代男女1,500人を対象に仕事について調査を実施。「自分は好きなことを仕事にできたと思っている」と回答したのは3割程度にとどまっている。
多くの人は、好きなことを仕事にできていないのが現状のようだ。
働く読者の方々は、今回のメッセージはどのように受け止めただろうか。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)
対象:全国20代~60代 男女計1500名