事故続発で加速する高齢者の免許返納 実際「するつもり」か聞いてみると…
社会問題化する高齢者の自動車事故。それを抑止する「免許返納」について聞いてみると…
18日、政府が高齢者向けの限定免許制度を創設する方向で検討に入っていることが判明。相次ぐ重大事故を受け、安全機能のついた自動車のみを運転できる免許証を交付するという。
詳細は今後決められていくものとみられるが、現在のところ対象は75歳以上の自動車免許取得者。75歳になった時点で「免許を返納し高齢者免許を取得する」「返納して一切の運転を止める」「返納しない」の3つの選択を迫られることになるようだ。
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■高齢者になったら免許返納する?
政府が高齢者に促している免許の返納だが、思うように進んでいないのが現状。事故の可能性が高いとわかっていても、便利さや愛着から返納を拒む人も少なくない。
しらべぇ編集部が全国の10~60代の男女1,721名を対象に「免許返納」について聞いた調査では、18.4%が「高齢になっても返納したくない」と回答。
「何歳になっても自動車を運転したい」と考えている人は、一定数存在している。
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■中高年男性は返納に否定的
「高齢になっても免許返納したくない」と答えた人を性年代別に見ると傾向が出た。
中高年男性の割合が高く、60代は32.7%が返納したくないと回答。また、50代も29.2%となっている。この年代は自動車好きが多いことや、返納が遠くない将来に迫っていることなどから、抵抗感を持ってしまうのかも。
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■免許返納したくない人に聞くと…
高齢になっても免許返納したくないというTさん(60代・男性)に話を聞いた。
「車が好きで通勤にも使っていて、ほぼ毎日乗っています。自分にとって車は生きがいであり、重要な足。それがなくなるなんて考えられません。
コンビニに行くにも車がないと行けない街に住んでいますし、何より車が好き。それを一定年齢になったから一律で強制返納しろというのは、かなり暴力的に感じる。もしも自分に自動車の安全運転するための能力がないと診察などで判断されたのなら、まだ納得できるかも。
運転能力を厳しくチェックしたうえで、引っかかったら強制返納…というシステムにするべきだと思う」
様々な声がある高齢者の運転免許返納。なるべく多くの高齢者が納得して返納できるシステムを構築してもらいたい。
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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
対象:全国10代~60代の男女1721名 (有効回答数)