インド仏教界1億5千万人を率いる日本人・佐々井秀嶺氏 密着同行記の著者に聞いた
インド仏教最高指導者・佐々井秀嶺氏の密着同行記『世界が驚くニッポンのお坊さん 佐々井秀嶺、インドに笑う』が上梓された。書籍に込められた願いとは。
■白石さんと佐々井氏との出会い
著者の白石さんと佐々井氏が出会ったのは日本での佐々井氏の支援団体『南天会』から「取材してみないか?」と連絡が入り、一時帰国していた佐々井氏をインタビューしたことがきっかけ。その後、少しずつ親交を深めてきたそうだ。
白石:佐々井さんを初めてインタビューした時に、「あんた、インドに来て俺の本を書きなさい」と言ってくださって…その時は、リップサービスだと思っていました(笑)。
その後、インドで年に1度、秋に100万人が一斉に改宗する「大改宗式」が行われることを知り、インド中のお坊さんが一斉に集まるので面白そうだと、2015年に初めて佐々井さんに密着取材させていただいたんです。
帰国してから最初に掲載したのは、週刊文春の見開きグラビアページ。写真のほうがインパクトが強いと思っていたんですが、佐々井さんは文章を書いてほしかったみたいで。
「あいつはこれで満足しておる」「あんなにインタビューしたのにちっとも書いてないじゃないか」って怒っていらっしゃったそうなんです(笑)。
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■雑誌への記事掲載がきっかけで
グラビアと違って、ドキュメンタリーとなると、佐々井氏の壮大な人生をまとめるのに時間がかかったそうだ。ようやく周辺取材も終えた白石さんが週刊女性や日刊ゲンダイに掲載したところ、若い人たちを中心に反響があったことに驚いたという。
白石:日本で知られていない人なのに、こんなに若い人達が読んでくれて、佐々井さんの活動に励まされている。その後、佐々井さんが週刊女性の記事を読んで「ようやくあいつ書きやがった」と、とても喜んでくださっていたことを耳にして…
仏教やインドの歴史は詳しくはないけれど、困っている人を救おうと奮闘している佐々井さんを多くの人に知ってもらいたい、そして、佐々井さんが元気なうちに執筆して本を渡したいと思いました。