左派だけでなく右派の支持も 「れいわ新選組」躍進の理由と今後の展望

今年の参院選比例区で特定枠を活用し、2議席を獲得したれいわ新選組。その躍進の背景とは。

2019/09/23 11:00



■消費税の減税・廃止は目玉

———れいわ新選組が目玉政策にした「消費税廃止」についてどう思いますか。

金子:消費税には、収入が少ない人ほど可処分所得に対する負担割合が重いという欠陥があり、「経済的弱者の味方」を標榜するれいわ新選組にとっては目玉となる政策でしょう。


この10月からは税率が10%になりますが、買い控えなどが起こり、景気に悪影響を与えることは必定です。また、消費税に関しては輸出企業に対する「戻し税」の問題があります。


これは、外国に輸出した製品には消費税を課せないので相当額が還付されるというものです。それも、先払いした分に対する利息まで加算されて。


本来なら、還付された分は部品を製造した下請け企業に配分せねばなりませんが、実際のところは、そんなことはなされず、内部留保としてるようです。結局のところ、実質的な輸出補助金としての役割を果たしています。


というわけで、可能ならば消費税を廃止すべきと思いますが、実際のところ、昨年度の時点で消費税の税収は17兆円超、歳入の約18%にあたりますから、これを即座に廃止するのは困難だと思います。


現在、れいわ新選組は「消費税5%」を野党共通の公約にしようとしていますが、現実的な判断だと思います。

関連記事:旧民主党の衆院議員からも候補者 れいわ新選組が衆院選一次公認を発表

■奨学金徳政令も魅力

金子氏は、自身の体験から「奨学金徳政令」にも魅力を感じるという。

金子:奨学金の返済に苦労した身としては、「奨学金徳政令」など魅力的ですね。そもそも、学問に専念するための経済的支援という奨学金の趣旨からいえば、社会人になった時に返済せねばならないという仕組みがおかしいと思います。


これでは、「国営学資ローン」ですよ。その一方、一部の外国人留学生には少なからぬ奨学金が供与されていますけれども、目に見える効果がありません。この際、奨学金の在り方全般にメスを入れてほしいと思います。

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■「特定枠」の活用は巧妙
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