「ヒアリが国内に定着か」報道 改めて取材すると「確定できない」との理由は…

特定外来生物のヒアリが東京港青海ふ頭で定着した可能性が極めて高いとの報道。改めて国立環境研究所を取材すると…

2019/10/17 19:00


ヒアリ
(国立環境研究所・坂本洋典撮影)

南米原産で強毒を持つため、特定外来生物にも指定されている「ヒアリ」が国内に定着か――そんな報道がインターネット上で話題になった。

しばらく報道で見かけなかったという人も多かったのか、ツイッターでは「遂にヒアリが侵略」などと受け止めている人も少なくない。そこで、しらべぇ編集部は国立環境研究所を取材した。


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■「まだ定着はしていない」

17日にはツイッターのトレンドするなど大きく注目されたヒアリ。やはり多くの人が気にしたのは「定着」というワードだろう。しかし、どの報道を見ても「ヒアリ定着か」といったように断定はされていない。

環境省の報告によると青海ふ頭では羽のある女王アリが20匹見つかっており、今後の調査でさらに数を増やすと思われる。

余談を許さない状況なのは確かだが、既に定着してしまったかのように捉えてしまう人もネット上では見られる。では、定着を確定するとなった場合はどのような状況を指すのか。また、現段階での根絶の可能性も気になるところだ。

しらべぇ編集部は17日、国立環境研究所の生態リスク評価・対策研究室の五箇公一室長に電話を通じて取材を行った。


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■確定するのはできない

ヒアリ
(国立環境研究所・坂本洋典撮影)

まず五箇氏が訴えたのは「定着は確定できない」ということだ。環境省の資料によると定着は「継続的に生存可能な子孫をつくることに成功する過程」を指している。つまり、定着を確定するには世代交代が行われているのを確認せねばならない。

そのためには来年の春までわからないのだが、余談を許されない状況で「放置はできない」と五箇氏。そのため「定着の確定をしようがない」という。その上で現在は「定着の可能性も視野に入れて調査をすすめる」とのことだ。

しかし、世代交代をする可能性があるのも事実。確定はできないといえ、気を抜けない。また、こんなケースも想定できる。

「分布をはじめたら定着。そうなったらアウトです」

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■別の場所でヒアリが…
報道取材
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