レストランでのアレルゲン誤表記で蕁麻疹に? 県は「事実関係を調査する」
外食業者のアレルゲン誤表記は果たして食品表示法違反に問えるのか…
食物アレルギーを持つ人は少なくないが、中でも甲殻類アレルギーについて聞いたことがある人もいるだろう。甲殻類(特にエビ)は、アレルギーの中でも「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」の危険性が高い原因食物とされている。
症状は、全身の蕁麻疹やむくみ、せき込み、呼吸困難などが現れ、進行が早く約半数は血圧が低下してショック症状を起こすものだ。
そんな中、「ホテルのレストランのメニューのアレルゲン誤表記で大変な思いをした」とSNS上で話題になっている。しらべぇ編集部は、関係各所から話を聞いた。
■救急外来を受診
SNSで話題の投稿は、浦安にあるホテルのレストランで食事した際のことだという。エビカニアレルギーの投稿者がアレルゲン表記を見て「珍しく海老が入っていない中華丼」を見つけて注文したところ、食べ進めていたら中から海老が出てきた…というのだ。
投稿者は、嘔吐や蕁麻疹のアナフィラキシー症状が出たため、自力でタクシー捕まえて救急外来を受診したとも記されている。どんな経緯で起きてしまった事故なのか、まずはホテルを取材した。
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■「保健所が事実関係を調査」
千葉県浦安市にあるホテルユーラシアは、しらべぇ編集部の取材に対して、「事実関係を現在調査中。それ以上はお話できない」と回答。
食品の表示を監督する千葉県健康福祉部衛生指導課は、「今回の件は、外部から通報が入ったため、保健所が事実関係を調査する。事実であれば、今回のようなことが二度と起きないように行政指導を行う」と述べた。
消費者側の予防策としては、「特にアレルギー患者は、表示の確認だけではなく、スタッフに対しても十分な確認を行うことが大切だ」と語る。それでは、今回のようなケースは、食品表示法違反に問えるのだろうか。
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■外食では努力義務
食品表示法の監督官庁である消費者庁は取材に、「アレルゲンの表示を、食品表示基準にのっとって義務付けられているのは、容器包装で販売されている商品のみ。外食に関しては、あくまで努力義務」と述べた。
検討会では、「外食に関しても表示が望ましい」という意見は上がっている」とした上で、「外食業者によって経営体力も異なる。したがって、全ての業者をひとくくりで規制することは、現実的には難しい」と語る。
「ただし、アレルギーによる食品事故が起きた場合、民事上の損害賠償請求がされる可能性はある」と述べた。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)