「にんにく1キロ50円」農家の悲鳴が話題 農協は「ブーム落ち着き供給過多に」
青森県の農家が悲鳴をあげる、にんにく市場の現状とは…
農水省によると、ここ2年ほど特に葉物野菜の安値が続いているという。また、暖冬になると鍋等を食べる人が少なくなり、消費が落ちて値崩れが起きやすくなるとのこと。
そんな中、青森のにんにく農家の悲鳴が、SNS上で話題を呼んでいる。しらべぇ取材班は、農協などから詳しい話を聞いた。
■苦労しているのに…
その投稿は、にんにくを久しぶりに市場に出してみたときのことだという。
「1キロ50円でした」 「2ヶ月の畑作り、10ヶ月畑にいて、収穫。 茎や根を、切って乾燥。 選別して箱詰め。 町運営の冷蔵庫に入れて。 皮むき作業し、梱包。それが50円ですよ」といった苦悩が書かれている。今、にんにく市場で何が起きているのだろうか。
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■供給過多の状態が続く
青森県は、全国No.1のにんにく収穫量を誇り、市場全体の7割を占めているという。
JA八戸営農部は、「3年ほど前ににんにくが高値となり、多くの農家がにんにく栽培に乗り出したことなどもあって、全国的に供給過多の状態にある」と回答。
またスーパーにはスペイン産が並び、同じ価格帯でも、青森産より大きいとのこと。にんにくは収穫されたときの大きさと見た目で、A・B・Cにランク分けされて値段が決まる。現在の価格は1キロあたり平均が800円程度。
A級品になるとキロ1200円~1300円ほどだが、加工用になると50円~100円になってしまうという。JAとしては、宣伝、販路拡大などに奔走しているが、餃子に「にんにくレス」の商品が登場したりするなどなかなか厳しい状態。
一時期の「黒にんにくブーム」も落ち着いてしまったそうだ。
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■新たな販路拡大を期待
そんな中で、新たな販路拡大として期待できる新商品が、2月17日に発売される。
青森県田子町産にんにく100%のパウダーが使用されている。青森県田子町では、「たっこにんにく祭り」などが行われ、町民をはじめ、多くの住民に親しまれており、地元では、冬は鍋物や焼き物として食べるのが人気。
地元を愛する人たちから、インターネット上で募集した味案をもとに、青森県庁にて地元を愛する人々と一緒にワークショップや試食会を行い、味やパッケージを決定したという。
開発担当者は、「青森県田子町産の『焼きにんにく味』ということで、ニンニクを焼いた際の香ばしさを再現することにこだわった自信作」と述べた。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)