武漢への支援物資に書かれた漢詩が話題 「日本と中国の美しい歴史を思い出していただけた」
とある日本の団体が中国へ贈った、支援物資に込められた想いとは…
新型コロナウイルスの影響で、中国国内でのマスク不足が深刻化している。そんな中、とある日本の団体が贈った支援物資の箱に書かれているメッセージが、SNS上で話題を呼んでいる。しらべぇ取材班は、物資を贈った団体の理事に話を聞いた。
■武漢の大学と日頃から交流
マスク2万枚以上と、体温計を贈った「一般社団法人 JYDA日本青少年育成協会」。この団体は、中国留学の際に必須となる、中国が実施しているHSK試験(漢語水平考試)の日本の実施団体でもある。
理事の林氏によると、団体として、多くの、中国の教育関係者、企業関係者、中国語を勉強している日本人と、日々関わり合いがあるという。また、去年で4回目になる、「HSK中国留学・就職フェア」も実施。
2019年のフェアには、中国から有名校25校、国内外の企業が東京・大阪合わせて15企業が参加。総来場者数約3,000名で開催され、この中に、武漢にある武漢大学と華中科技大学が参加していた。
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■中国の友人を憂慮
中国の多くの友人の困難な状況を憂慮し、「何か出来ることはないか」と考え、マスクなどを贈ることを決めたという。その箱に貼られたのが、「山川異域 風月同天」の四言詩。
遣唐使の時代、仏教を尊崇していた皇族の長屋王は、千の袈裟(けさ)を作って唐の僧侶に贈った。袈裟には金糸で、「山川異域 風月同天 寄諸仏子 共結来縁」という漢詩が刺繍されていた。