R−1が盛り上がらない理由は「松本人志の不在」か TVがピン芸人を求める理由とは

『R-1ぐらんぷり』に求められる改革を他の大型お笑い賞レースと比較しながら考察

2020/03/10 09:20


 


 

■松本の権威とカリスマ

松本1人で何が変わるのかと思われるのかもしれないが、お笑い界におけるカリスマと権威は否定できない。何も松本が最も面白い芸人だということを言っているわけではない。

オリエンタルラジオの中田敦彦が以前、松本の権威を批判していた。当時は松本もちょうど柔軟になり、『タウンワーク』の CM をするなど新たな人気を得てきたところだったので、その批判は非常に空振りだったのだ。

批判の内容は拙かったが、中田が言いたかったことのニュアンスは、実質的な松本のカリスマ性にあった。しかし松本が何か悪いことをしているわけでもない。


関連記事:有吉、『M‐1』に続き『R‐1』優勝者予想も的中 「圧倒的に体がイイ」

 

 

■それでも松本が求められる

いずれにせよR-1にも松本が求められている。しかし、どの大型賞レースにも松本が顔を出し、ますます権威付けされるのは、当の松本自身が嫌がっているだろう。松本はコンビであり、ピン芸人ではないという理由もある。

しかし、代わりにタモリが審査員をしてくれるわけでもないので、ピン芸人大会にだけ松本が関わらないのはもはや不公平と言っていい。

フジ『IPPONグランプリ』や『人志松本のすべらない話』という個人競技のイベントも含めてさまざまなイベントに関わっている以上、R-1に関わるのも必須ではないだろうか。


関連記事:東京03・飯塚、「ギャラ3等分をやめる」トリオ内新ルール提案に豊本憤慨

 

 

■ピン芸人の復興を

現状のお笑い界は、テレ朝『M-1グランプリ』などの影響で、漫才やコンビ芸に偏重するきらいもある。

それでいて、M-1優勝芸人よりもマツコ・デラックス、有吉弘行、坂上忍が持て囃されるのは、型にはまった芸でなく、ピンの独創的な芸を社会が求めている証拠だ。

極端な図式化で因果付けすれば、松本がR-1に関わらないがゆえにお笑い界と社会に大きな亀裂が入っているのである。先の3者からすれば、松本とは離れた場所からのタレント需要もあるわけだが、まずは松本がR-1に関わるところから出発する必要があるだろう。

・合わせて読みたい→東京03・飯塚、「ギャラ3等分をやめる」トリオ内新ルール提案に豊本憤慨

(文/メディア評論家・宮室 信洋

Amazonタイムセール&キャンペーンをチェック!

有吉弘行お笑い松本人志キングオブコントバナナマンマツコ中田敦彦さまぁ~ずR1ぐらんぷり野田クリスタルTHEWオリラジ中田
シェア ツイート 送る アプリで読む

人気記事ランキング