新型コロナ問題の真の恐怖とは なぜウイルス以上に人間が怖いのか
新型コロナウイルス問題の背後に潜む真の罠である人災の罠を情報社会分析とともに網羅的に考察。
日本における新型コロナウイルス問題の混乱は、全体としては徐々に安定してきたようにも見える。新型コロナ問題において、今最も懸念すべきものは何だろうか。
■日本の対応は成功か
世界保健機関(WHO)は、 3月11日、新型ウイルスの流行はパンデミック(世界的な大流行)になったとの見解を表明した。一方で、日本については、3月9日にWHOの緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏が、「転換点状況で希望を与える国」として挙げている。
パンデミックの状況において油断はできないが、 現状日本の対応は模範的なほどに成功しているといえるだろう。
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■トイレットペーパー騒動も
筆者が前記事「暴走か最適解か」で書いたように、 目下の新型コロナ対策の背後には同時に経済問題がすぐそこである。国家の見方については記事のとおりだが、同時に何より問題なのは社会の問題だ。
トイレットペーパー騒動は、その典型であった。デマと知れ渡ってからも我先と購入し続け、混乱を助長する人々にも責任の一端はある。すなわち、これは人災と言える。
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■3.11とTwitter
また、現在はますます拠りどころの不安定な社会だ。扇動がなされやすい。また東日本大震災時のTwitterなどのSNS状況と比べても不安定さは増しているだろう。
当時は、Twitterが活用されることでユーザーが増大するきっかけとなり、新世紀エヴァンゲリオン』に由来する『ヤシマ作戦』という名称で節電を呼びかけるなどTwitterの連帯性も高かったのである。
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■SNSの現在
Twitterは一般化すればするほどコアな魅力を失っていった。昔は当時の『2ちゃんねる』がWEB上のアングラの代表のようであり、匿名性についての議論もよく行われていた。
しかしいつの間にやら匿名性の文化はWeb上全体に広がり、2chもまとめサイトを通じて一般的になった。かつて評論家の宇野常寛氏が懸念していたとおり、TwitterなどSNSは各々が見たいものだけを見る議論の成立しないそれぞれの「島宇宙化」が確立したようにみえる。