クビになった元巨人投手、ピンチからの大逆転劇 「大金が動いて驚く毎日」
元巨人の杉山晃紀さん。現在は不動産営業マン、ダーツ選手として活躍中。現役時代を振り返ってもらった。
物静かに、語り始めた。元読売ジャイアンツの投手・杉山晃紀さんだ。2011年に引退後、ダーツ選手のプロテストに合格し、平日は不動産営業マンとして働くかたわら、土日に大会で腕を試す日々を送る。
一軍でマウンドに上がる姿はなかったが、現役生活3年の間に抱いていたのは、「目立ちたい」という思いと、「なぜ自分がチヤホヤされるのだろう」といった、相反する葛藤だった。
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■趣味で始めたダーツ
京都・綾部市で生まれ育ち、地元の綾部高校から08年に育成ドラフト1位で入団した。現役時代は骨がスカスカになる難病「骨嚢腫」(こつのうしゅ)にも悩まされ、一軍出場を果たすことができぬまま、わずか3年で引退。
現役時代から趣味で行っていたダーツの世界に本格的に足を踏み入れたのは、周囲からの後押しもあった。
「うまくなったから挑戦しようかな、という思いもあったのですが、周りの仲間から、『身体能力は高いだろうから、打ち込んで真剣にやってみたら?』というのに半ばあおられ、まんまと乗っかってしまいました(笑)。
ただ、勝った時に湧き上がってくる感情は好きだったので、勝負の道を求めていきたいなとは思っていました」
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■普段は不動産営業マン
引退から1年後、プロテストに合格。
プロダーツ選手の収入は、大会での優勝賞金が中心だという。以降、現在にいたるまで70試合ほどに出場してきたが、ダーツ選手としての収入はこの数年間で数十万円ほど。ダーツ店の店長としても働いていたが、ダーツ選手1本ではとても生活できないことや、親からの意見もあり、18年9月に不動産会社に就職した。
億単位の物件を取り扱う物件売買の営業マンに転身を遂げた杉山さん。役職も、副主任になるなど仕事の結果もついてきた。
「営業成績は現時点で上位。ほぼほぼ知らなかった知識に触れるので、(同僚などに)『色々教えて下さい』と聞いたりして、面白いです。
営業で30、40億近くのお金が動くこともあって、驚く毎日です」