「無断駐車歓迎」 心やさしき店長がこの試みを始めた理由とは
群馬県の飲食店のオーナーは、過去に駐車をめぐり不快な気分に陥ったことから、「無断駐車歓迎」と掲げた看板を設置している。
「都会に行ったとき、住民ではない他人から無断駐車を指摘されて、嫌な思いになって…。これじゃ世の中つまらんなと思ったわけです」
「腑(もつ)煮屋 ワインディングロード」(群馬・桐生市)の中島店長は、かつて駐車をめぐり不快な思いをした経験から、自身の店の駐車場に「無断駐車歓迎」と書いた看板を掲げている。ネット上には、店を訪れた人が撮影した写真が拡散され、「スゴイ心の広さだ」「かっけぇっす…」と称賛の声があがっている。
■都心部で駐車めぐり…
こうした看板を設置したのは、10年ほど前、都心部に出かけた時にさかのぼるという。中島店長が運転中、カーナビを操作したく車を停めようと思っていた折、駐車スペースが空いていたマンションを目にする。
他人のスペースとは知りながらも、「1、2分くらいだけならいいのでは」と考え、駐車。だが近所の住民から「そこは〇〇さんの家だぞ! なに停めてるんだ!」などと罵詈雑言を浴びた。「自分の家でもないのに、非常に嫌なことを言われたんです」。
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■ネットで調べると…
ネットで「駐車禁止」と検索すると、出てくるのは「無断で停めたら罰金」、ひどいものだと「殺すぞ!」と脅迫めいたものまで。無断駐車には嫌なことばかりがつきまとう。
一方、中島店長が「無断駐車歓迎」と検索したところ、ほとんど出てこなかったという。そこで逆転の発想をひらめいたというわけだ。5、6年ほど前に「無断駐車歓迎 関係者以外のかたでも、好きに停めてください。無断駐車を発見した場合でも、何も言いません」と歓迎する看板を設置した。