緊急事態宣言の2日前… 小さなスナック店が迫られた「悲壮な決断」

いよいよ緊急事態宣言が発令。深夜営業のスナックで働いていた男性が、ギリギリまで営業を続けてい切実な事情を語った

2020/04/08 06:00


落ち込む男性
(AH86/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京都などの7都府県に緊急事態宣言が出された。これ以前より、感染リスクが高い場所として名指しされていた、いわゆる「夜の店」は、壊滅的なダメージを受けている。

しらべぇ編集部では、スナックで働いていた男性に、匿名を条件に事情を聞くことができた。



■緊急事態宣言の2日前に…

しらべぇ編集部の取材に応じたのは、神奈川県内のスナック店で働いていたAさん(20代男性)。働いていたのは、オーナーとAさんの2人で営業していたという、小さな店だった。

ギリギリまで2人体制での営業を続けていたが、緊急事態宣言が出される2日前の今月5日、Aさんはオーナーから、事態収束まで自宅待機するよう、ついに指示が出されたという。


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■「店をあけないと維持できない」

緊急事態宣言が出される以前から、接客を伴う飲食店などへの立ち入りは自粛するよう呼びかけられていたわけだが、そうした状況でも、決して少なくない店が営業を続けていたそう。

その理由は「店をあけないと維持できない」からで、Aさん自身も、感染リスクが高いこと、感染拡大が続く深刻な状況を理解しながらも、生活のためにはギリギリまで働く必要があったと語る。


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■オーナーの「悲壮な決断」

たった1人の従業員であるAさんが自宅待機となり、店はどうなっているのか尋ねると、「オーナーは『1人で店をあけて、周りの様子を見てみる』と言っていました。そうするしかないんだと思います」とAさん。

また、オーナーとは「(周辺の)何店舗かはなくなるだろうね。ウチも(事態が)長引いたらやっていられない」とも話していたそう。

この世界で働き、様々なことを学びながら、将来は自分の店を持つことが夢だというAさん。「僕は収入がゼロになりますが、従業員なので負債を抱える心配がないだけいいのかな、とも思ってしまいます。一体どれだけの店が生き残れるのか…。事態が収束しても、もう戻る場所はないのかもしれない」と口をつぐんだ。

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(文/しらべぇ編集部・越野 真由香

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