「どうか会社を辞めてください」 退職代行会社がコロナ禍で3割減
新型コロナウイルス感染拡大で、退職代行を手掛けるEXIT社も影響を受けていた。
「すぐに景気が良くなることはないと思うので、利用者がさらに減少することもあるかもしれません」
社員自らが退職依頼をするのではなく、第三者にやってもらう「退職代行」サービス。新型コロナウイルス感染拡大で経済への影響が懸念される中、同分野の筆頭格であるEXIT社(渋谷区)にも、新型コロナの波が押し寄せてきた。
岡崎雄一郎代表取締役にインタビューを行うと、「国内でコロナ拡大が始まった2月後半を境に、コロナ前と比べ売り上げが2~3割ほど減少」したと打ち明ける。
■自社社員が退職代行を利用したことも
「やめたいけど、上司が怖くて言い出せない」「やめさせてもらえない」などの理由から、退職に踏み切れない労働者に手を差し伸べる同社。
退職届を上司に提出するといった勇気と度胸が必要な行動も、同社が代わりに担うー。2018年に設立されると、ブラック企業からの脱却に注目が集まる世相とマッチし、脚光を浴びた。また、過去に二度、自社社員が他社の退職代行依頼サービスを使い、退職したことでも話題を呼んでいた。
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■先行き不安から…
そんなさなかに起きた新型コロナウイルスの拡散。経済への深刻な影響が懸念される中、退職代行サービスにも変化が生じ始めた。コロナ拡大前、月平均300人前後が依頼をしていたが、拡大後2~3割ほど減少。岡崎代表は、景気減退が懸念されるためだと説明する。
「先行きが見えない、退職しても次が見つかるかわからない不安から、退職したいと考える方は多くないだろう、と思います。
景気が良い時は売り手市場、景気が悪い時は買い手市場ですので、コロナでなくても景気が悪い時はやはり退職したい人が減るのではないでしょうか」