口先だけの女帝・小池百合子劇場の終わりと吉村大阪府知事の台頭
新型コロナウイルス対策でリーダーシップを発揮しているように見える小池百合子都知事と吉村洋文府知事だが…。
■出口戦略で明暗
小池氏と吉村氏の大きな違いは出口戦略。誰もが自粛・自粛の要請で疲弊し、いつ希望が見えるのか待ち望んでいるだろう。出口を求めているわけだ。
それなのに、小池知事は8日の会見で、「ステイホーム週間のあと、いきなり出口戦略について話題が出てきています」と懸念を表明。
「ワクチンであったり薬であったり、これが最高に効くといったものは出てきていない。感染者はまだ東京で引き続き出ています。その中で、出口出口というと(こういった課題が)もうすべてクリアされたような雰囲気が漂ってしまう」と出口戦略がまったくないことが明らかになってしまった。
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■「大阪モデル」を提唱
一方、吉村氏は対照的で「大阪モデル」と題して緻密な出口戦略を5日に出した。出口の基準は3つで、
①経路のわからない新たな感染者の人数が10人未満であること。
②PCR検査における陽性率が7%未満であること。
③重症者の病床の使用率が60%未満であり、これらが原則7日間続くこと。
この3つが揃えば、自粛を段階的に解除していくという。出口戦略の基礎データとなるPCR検査対策でも大阪のほうが進む。大阪が府内の保健所のデータを正確に吸い上げ、連日公式サイトで公表している。
■「都民ファースト」はどこに?
一方、東京は正確な数字を把握しきれず、ホームページで公表する統計も正確性を欠いている。「情報公開」を一丁目一番地とした都民ファーストが聞いて呆れる。
吉村氏の頭には、今秋に行われる大阪都構想を問う住民投票があることは確実だろう。コロナ対策であがった勢いで住民投票に突入するということだ。
ただ、指導者が人気投票を追うのは古代ローマからの民主主義の宿命。吉村知事には小池氏のようにパフォーマンス優先の自分ファーストにならないことを願うばかりだ。
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(取材・文/France10・及川健二)