「コロナ不況でAV女優の応募が殺到」は本当か 複数の業界関係者に直撃した

新型コロナウイルス感染拡大と自粛要請で「AV女優になりたい女性が増えている」という報道について、関係者に検証した。

2020/05/10 08:20


■3月・4月はもともと応募のピーク

こちらも有名専属女優が所属するC社の関係者によれば、「そもそも3月、4月は、学校を卒業したり上京する子がいたり、応募が急増するタイミング」なのだという。そのため、「当社への応募や紹介は、例年と比較して『コロナの影響で増えた』とは判断できません」と話す。

3月はまだAVの撮影が行われていたため、仕事が激減した風俗の女の子たちにスカウトがAV出演を勧め、事務所やメーカーにもかなり売り込みがあったいう話は聞いているそう。スカウトに支払われるキックバックは、女の子の売上に連動するケースがあるためだ。

また、スカウトが繁華街で女の子に声をかけたとき、立ち止まって話を聞いてくれる子も増えているとのこと。

「コロナの経済的影響でAVへの応募は確実に増えるとは思いますが、現在はAVの撮影も止まっていますし、女の子たちにコロナ感染への恐怖感があるはずなので、もう少し状況が落ち着いてからの話だと思います」と語った。


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■DVD売れず苦境も

一方、外出自粛で男性たちが風俗店やキャバクラなどにも行けず、AVの売上はかなり増えているのではないか…と聞くと、そう単純でもないようだ。

前出のC社関係者は、「AVメーカーの売上は、いまだに店頭販売のDVDに依存している割合が高い。動画配信の利益率がかなり低いためです。しかし店頭イベントもできず、店を訪れる客も減っているため、DVD販売は苦戦している。一部のメーカーはかなり経営が苦しいでしょう」と明かす。

また、第一線で活躍してきた人気AV女優も、「リアルで人と話すことがほとんどなくなり、病みそう」と語った。撮影やイベントもすべて中止となっているため、SNS投稿や動画の生配信などを通じてファンとコミュニケーションを図っている。


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■「一部で応募が増えた」のは事実

関係者の話を総合すると、風俗嬢や水商売の女性の一部がいったんAV業界に興味を持ったのは事実のようだ。しかし、「コロナ禍で容姿端麗な女性がどんどんAV女優になり、業界もファンもウハウハ」といった構図は単純には考えづらい。

政府が当初、休業補償の対象から「接待を伴う飲食業」や「風俗業」を除外していたように、性にまつわる産業・働き手には、支援の手が届きづらいのも大きな課題だ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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