多くの人に知ってほしい『聴覚障害とマスク』問題 NHKがツイッターで呼びかけ
現在、新型コロナウイルスの影響で多くの人々がマスクを着用している。そんな風潮に、大きな影響を受けている人たちの姿が…。
「NHK広報局」が11日、ツイッター公式アカウントを更新。新型コロナウイルスの影響で、聴覚障害者が直面している「マスクをめぐっての問題」について触れた動画を公開し、話題を呼んでいる。
■聴覚障害者の不安
https://twitter.com/NHK_PR/status/1259718069422710784
聴覚に障害のある人たちは主に音や唇の動き、表情や文脈などを組み合わせて、情報をキャッチする。しかしながらマスクの着用が促されている現在は、唇の動きや表情といった情報源がシャットアウトされ、判断が難しくなる問題が起きているという。
また、感染防止でマスクが欠かせない状況の中、やはり「外してほしい」とは言い出すことが難しいそうだ。
動画には、自身も人工内耳を使用しているNHKパラリンピック放送リポーター・後藤佑季氏も出演。コロナ禍での聴覚障害者の不安を打ち明けた。
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■マスク着用中でも伝わる対策
では、その問題はどのように解決すればいいのだろうか? 動画の後半では、マスク着用中でも聴覚障害者にわかりやすく情報を伝える方法が紹介されている。
登場したのは、「筆談」と「指さし」。「筆談」はノートとペンさえあれば場所を選ばない方法だ。なお、携帯やタブレットでも代用可能なため、特別な準備が必要のない手段といえるだろう。
また、お店などで役に立つのが「指さし」だ。筆談と違い準備は必要なものの、絵や文章が書かれたボードやメニューを指さすだけで、的確に相手へ意味を伝えることができる。
他には、聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表す「耳マーク」と呼ばれるアイコンを紹介。これらの情報を頭に入れておくだけでも、問題解決に役立つはずだ。
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■「全然知らなかった」の声相次ぐ
健聴者では想像の及びにくい部分を説明した今回の動画には、多くの反響があった。
反響の一例としては「手話だけじゃないんだね。全然知らなかった」「普通にマスク着けてると聞き取りづらいことあるもん。なおさらだよね」といった声が多く、認識を改めようとする人が多く見られた。
マスク着用が促され、聴覚に障害を持つ人と情報を「伝えにくい」「伝わりにくい」状況が続く中、互いに寄り添い合い、伝えるためのひと工夫をすることが必要になっている。
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(文/しらべぇ編集部・北田力也)