品川区が区民全員に応援給付金を独自支給 なぜできるのか取材してみたら…
東京都品川区が国とは別に応援給付金支給を発表。思い切った政策を実行できる訳とは…
国による特別給付金支給手続きが真っ最中の今。東京都品川区が、さらに区民全員に応援給付金を支給することを表明した。しらべぇ取材班は、品川区の想いに迫った。
■予算約135億を財政出動
品川区は、新型コロナウイルス感染症拡大により生活に多大な影響を受けたとして、区民全員に対し、外出自粛要請等に伴う負担の軽減と、区全体の活力を取り戻すことを目的に、新たな制度を策定。
2020年度一般会計補正予算案として、「(仮称)しながわ活力応援給付金」のために、予算135億5,000万円を6月25日区議会第二回定例会に提案することを表明した。
対象となるのは、品川区民約40万6,000人(中学生以下は約5万人)で、金額は、区民1人当たり3万円。中学生以下には、1人につき2万円を加算し1人当たり5万円になる。郵送申請のみとし、感染対策のため、申請窓口は設けないという。支給開始は、8月後半から9月上旬を想定している。
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■自粛による出費を補填する意味も
この給付金を担当する企画調整課は、しらべぇ編集部の取材に対して、「品川区の新型コロナ感染者は、1日現在188人で、23区の中では、9番目に多い。それだけ、区民の皆さんは大変な思いをしている」と話す。
また、「保育園児や児童・生徒は想定外の自粛を余儀なくされて、家庭では食費などで、思わぬ出費がかさんでいる。そのため、義務教育課程の子供たちの分の給付を手厚くした」と語る。
高校生が加算対象から外れているのは、中学卒業後に働いている社会人もいるためだという。この給付金には、未来を担う子供たちを支えて、品川区の活力を取り戻したいという想いがあるそうだ。では、なぜ品川区はこのような思い切った政策を実行できるのか。
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■質素倹約を心がけてコツコツと
品川区は、都内トップレベルに財政状況が良い自治体だ。その要因について、「必要な政策はもちろん実行するが、質素倹約を心がけて、財政調整基金を積みあげてきた結果」と話す。
つまり、無駄なお金を使わずに、コツコツと貯金をして来たのだ。だからこそ、新型コロナ危機で、思い切った財政出動が可能になったとのことだ。SNS上では、品川区の今回の政策には、絶賛の声が多数あがっており、「この区に引っ越したい」という声も多くでている。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)