自粛要請が解除されても… 病院で働く友人からのLINEに言葉が出ない

緊急事態宣言が解除されて、いま病院では何が起きている? 看護師の女性が置かれていたあまりにも過酷な状況が明らかに

2020/06/07 06:00



■看護師の人手が以前よりも必要に

緊急事態宣言が全面解除となった後も、「酸素飽和度(体内の酸素量)が95%以下(平常値は97%以上)」「明らかな肺炎症状(痰の絡んだ咳、呼吸苦など)」「酸素吸入をしないと体内酸素を維持できない」といった症状が見られる患者については、A子さんが担当する夜間救急では引き続き受け入れを断らざるを得ないというが、上記の症状が見られない発熱患者は受け入れるようになったそう。

しかし、こうした状況下において発熱患者は一般の入院病棟に入れることはできないため、看護師の人手がコロナ禍以前よりも必要になっている状況のようだ。


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■全面解除で患者の数は「増えた」

また、緊急事態宣言の全面解除を受けて、A子さんは外来患者の数は「救急外来だけでなく、全体的に増えた」と話す。

「自粛が明けて外に出る人も増えて、これまで受診を控えていた人も、気持ち的に病院に行きやすくなった……というのもあると思います。それから、お酒を呑んだり、遊びに行って怪我をしてしまった、という人も増えた印象です」と、“自粛明け”による影響で、様々な患者が増えているようだ。


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■感染リスクが上がり不安

現在の状況について、A子さんは「自粛明けで皆が外に出て、緊急事態宣言期間中より明らかに蜜になりやすくなっている。そうした中で発熱患者の受け入れを始めたことは、いつ新型コロナ感染者が来るか分からない」

「連絡を受けたときには『熱はない』と言われていても、外来に来て検温したら37.5度を超えていた……なんてことも、よくあります。自分が感染するリスク、そして周囲への拡大のリスクは上がったと思います」と語ったA子さん。

改めて、医療現場で働く人々が今、家族や友人に会うこともできず、自らの命を危険に晒しながら働く……そんな異常事態が起きていることを改めて痛感させられる。経済活動を再開させつつも、“気の緩み”は絶対に禁物だ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・越野 真由香

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