「多目的トイレ」で起きている深刻な問題 設備メーカーが悲痛の訴え

「多目的トイレ」では、そもそも大きな問題が起こっていた……。バリアフリー設備を製造するメーカーが、悲痛な思いを投稿した

2020/06/12 06:00



■国交省も重大な問題と認識

両者の間で起こっている衝突の具体的な内容としては、「駅や建築物などにおける車いす使用者用トイレの設置義務付けなどを背景に、近年、子供連れなども利用できる多機能トイレが数多く設置されてきました。

そのため、車椅子使用者などの障がい者だけでなく、高齢者、子供連れなどによる利用が集中して、車椅子使用者が使いにくくなっているという指摘が寄せられています」という。

この問題については国土交通省も重大な問題と捉え、「利用実態を調査し、今後のトイレ整備の方向性についてとりまとめるとともに、一般の利用者のマナー向上に関するパンフレットを作成」するなどの取り組みが行われている。


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■啓発活動の最中に「憤りを感じます」

株式会社水上では、この問題に対し「一般トイレにもっとおむつ交換台などの設備を普及させることで、多目的トイレの混雑を緩和できる」と考え、SNSなどを通じて啓発活動にも取り組んできた。

しかし、そうした最中での今回の報道を受けて「あまりに悲しい」と率直な胸の内を語る。

「本当に必要な方が使えなくなること、また、それを防止するために多目的トイレに鍵を掛けられ、自由に使えなくなることを危惧しております」とし、身体的な事情等で多目的トイレを必要としている人が多くいる中、影響力のある著名人が情欲のために利用していたとする報道には、「憤りを感じております」と担当者。

あってはならない不祥事報道が発端ではあるものの、多目的トイレに感心が寄せられていることから「多目的トイレのあり方について、考えて頂ける機会になってくれればと思います」と、取り巻く問題について、改めて理解を求めている。

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(取材・文/しらべぇ編集部・越野 真由香

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