女帝・小池百合子に挑むドン・キーホーテか れいわ新選組・山本太郎代表の挑戦
れいわ新選組の山本太郎代表が記者会見し、7月投開票の東京都知事選への立候補を表明した。
れいわ新選組の山本太郎代表が15日、6月18日開票、7月5日投票の都知事選に出馬する会見で、まくし立てるような口調で必死に汗を流しながら話す姿を目にしながら、筆者には2つの記憶がよみがえった。
■被災地女性に傾聴
一つは2011年8月、日比谷公会堂。被災地から弁士を招き、制服向上委員会や中川五郎氏が歌うチャリティイベントに山本氏も参加した。話し終えてから会場を降りると、福島から来たという初老の女性が山本氏に話しかけた。
山本氏は腰をかがめ、ずっと女性の話に耳を傾けていた。当時は3.11で社会派デビューしたとはいえ、名の知れた俳優である。山本氏の真摯な姿勢に、密かに心打たれた。
関連記事:口先だけの女帝・小池百合子劇場の終わりと吉村大阪府知事の台頭
■総選挙で強豪・石原伸晃に挑み善戦
二つ目は民主党が50台にまで議席を減らした2012年の総選挙。山本太郎氏は東京都内でもっとも選挙に強い自民党衆院議員の一人・石原伸晃に無所属で挑戦したのだ。
民主党は円より子元参院議員を立てていた。筆者は、選挙戦最終日の夜、荻窪駅で行われた演説を聞いた。
山本氏は「石原伸晃さんの支援者も大丈夫です。山本太郎に入れてください。石原さんは選挙区で落選しても比例区で復活当選しますから。一つの選挙区に議員が二人いたほうがいいじゃないですか」と、ユーモアを交えてアジテーションした。
演説後、筆者は山本氏に直撃していくつか政策について聞き、「保守は原発賛成が多いですが」というとすかさず「それは保守と言いません。保身です。郷土を愛するのが保守」と返された。結果は…
石原伸晃:132,521票/山本太郎:71,028票/円より子:54,881票/共産党候補:23,961票
石原氏と票差はついたが地盤・看板・鞄を持たないのに民主党候補を約2万票上回る善戦だった。