女帝・小池百合子に挑むドン・キーホーテか れいわ新選組・山本太郎代表の挑戦
れいわ新選組の山本太郎代表が記者会見し、7月投開票の東京都知事選への立候補を表明した。
■れいわ調査でも「小池圧勝」
15日の会見でも、「れいわ新選組で3,000サンプルで世論調査をとりましたが、小池さんはめちゃくちゃ強い。圧勝です」と語った。
しかし、無茶ながらも石原ファミリーに挑み、野党乱立ながらも(民主党はその時はまだお飾りだけの”与党”だったが)、頭角を現した山本氏は翌年の参院選で約66万票をとって東京選挙区で当選する。
2012年の総選挙になぞらえると、小池氏圧勝の勢い、追う山本太郎というところか。ただ、2012年になかったのはこの8年で作った実績と支持者である。小池氏がはたして逃げ切れるのか。
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■「東京五輪中止」というレトリック
山本氏は政策で、「来年に延期された東京五輪・パラリンピックの中止」「全都民への10万円給付」「高校や大学の授業料1年間免除」を掲げている。
五輪中止は早速ツイッターのトレンド入りし、「違約金が発生するのを知らないのかね」というツイートであふれたが、これは小池百合子都知事の選挙戦にならったものだろう。
2016年の都知事選で小池氏は「都議会冒頭解散」をいの一番に掲げた。しかし、都知事が都議会を解散できるのは、議員数の3分の2以上が出席する議会の本会議において4分の3以上の賛成により成立することから、小池氏が彼女にとっての野党が議会の大多数を占める状況で当選しても不可能なことだった。
小池氏の場合は完全なホラだったが、山本氏の場合は都民により分かりやすく伝えるためのレトリックの可能性が高い。正確に言えば「IOCは五輪中止を早く決断すべきだ」ということになるが、まどろっこしいだろう。あえて理解しやすく修辞だと筆者は見る。
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■投票率がすべてを決める
舛添要一元都知事は山本氏の立候補を受けて「今回はコロナで街頭活動が困難、有権者が感染を恐れて投票に行かないなど無党派向けの候補にはマイナス」とツイートしているが、コロナで政治の非情さが分かったからこそ、投票率が上がる可能性もある。
ちょうど街に人が出だした。自粛で繁華街が閑散としていた時期とは違う。投票率の上下によって結果は変わっていくということだけは断言したい。
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(取材・文/France10・及川健二)