さんまが歴史的大不漁の緊急事態 水産庁は「稚魚の生き残り悪くなっている」
さんまが歴史的不漁によって価格が高騰している現状。その原因とは…
8日にさんま漁が解禁になったが、1週間は全くさんまが取れない事態に陥った。その後、15日に初競りがあり、競り値1キロ4万円、店頭価格1匹あたり5,980円と過去最高値を記録。しらべぇ取材班は、さんまに今何が起きているのかを追った。
■毎年楽しみにしている客のために
北海道と独自ルートを持つ阪急百貨店うめだ本店は、例年であれば初競りのさんまを入手できたが、今年は197匹しか取れなかったため、地元業者にしか行き渡らなかったという。
次のセリがあった15日に、北海道釧路港で競り落とされたもののうち、8匹を何とか仕入れて陸送させて、20日のオープンと同時に店頭に並べた。初モノを食べると長生きするという言い伝えもあり、毎年楽しみにしている客がいるという。
若干小ぶりではあるものの、脂が乗っていない身が引き締まったこの時期ならではのサンマを、1匹2,380円で販売した。「9月あたりからの本格的シーズンになれば、価格は落ち着いてくる」と担当者。
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■漁獲量が年々減少
全国さんま棒受網漁業協同組合によると、日本におけるさんまの年間水揚量は2008年の約34万トンをピークに年々減少し、2019年には約4万トンと激減してしまった。
日本のさんま漁の歴史は古く約300年前にスタート。現在は、さんま棒受網漁業として、日没から夜明けにかけて行われている。魚は夜、光に集まる習性がある。
さんまは特にその習性が強く、大群をなして海面の上層を回遊している。一度光に集まると、同一方向に旋回運動をし容易には離れないので、この習性を利用して、集魚灯を使いさんまを棒受網に誘導し、漁獲する。
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■歴史的不漁の原因は…
水産庁担当者によると、さんまの歴史的不漁の要因は2つあると話す。まず、1つ目は資源の量が減っていること。2つ目は、漁場の形成が良くないことだという。
さんまは日本近海だけではなく、北太平洋の中緯度地域に広く分布している。近年、黄海では中国や台湾が漁獲量を伸ばしている。また、黄海から回遊してきたさんまを千島列島付近でロシアが漁獲している。