貴重な文化財の床が泥と皮脂まみれに 担当者は「マナー守って楽しんでほしい」
貴重な文化財の床が泥と皮脂で大変な状態に。職員が何度も何度も床を拭く事態に…
GOTOトラベルキャンペーンで賑わう施設もある中、新潟県の貴重な文化財の床が、「汚されてしまっている」とSNS上で大きな話題となっている。しらべぇ取材班は、その施設から詳しく話を聞いた。
■大地主伊藤家が寄付した施設
雄大な蒲原平野を流れる大河、阿賀野川。そのほとりに小さな集落、沢海(そうみ)がある。江戸中期この地で農より身を興し、代を重ねて豪農の道を歩み、越後随一の大地主となった伊藤家。
戦後の農地改革により広大な土地は伊藤家の所有から離れたが、建物・庭・美術品を後世に残すため伊藤家は自らの財産を寄付し、財団法人北方文化博物館を創設し、現在に至る。8,800坪の壮大な土地に、計1,200坪の建物を有す。
年間の来場者数は約10万人で、通常期は、県外や海外から大勢の観光客が大型バスなどで訪れている。観光客からは「貴重な施設の中で、気分転換も出来て、癒やされる」と好評だ。
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■泥と皮脂で床が大変な状態に
その建物の床が、7月31日に汚されてしまった。この日は、雨だったため、サンダルで来館した客が泥で塗れたままの足で建物の床を歩いてしまった。
【拡散希望】お願いです。日本家屋等文化財の建物に入る際は《素足での入館はご遠慮下さい》。夏はサンダルで外出する機会が増えますが「皮脂汚れ」が床につくと完全には落ちません。お子様ご友人にもお伝えいただき、どうか文化財を汚さないという意識のもとご見学いただきたくお願い申し上げます。 pic.twitter.com/qfFngkGjd6
— 北方文化博物館 (@hoppo_bunka) August 1, 2020
この床の汚れはなかなか落ちず、職員が熱湯で固く絞った雑巾で何度も何度も拭いて、やっと目立たない状態になったという。通常大型バスで一挙に客が来場するため、一人ひとりの行動に注意を払うことがなかなか難しいそうだ。