創業117年の人気和菓子店がコロナ禍で大打撃 「売り上げが毎日7割減で苦しい」
新型コロナの影響で売り上げの7割が吹っ飛んだ。その老舗店の想いとは…
コロナ禍は、山梨県にある創業117年の老舗人気和菓子店にも、大打撃を与えていた。そんな中、懸命にSNSで発信を続ける担当者に詳しく話を聞いた。
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■売り上げの7割を占める人気商品が
山梨県北杜市にある「金精軒」の一番の人気商品は、信玄餅。コロナ禍前は、一日に3万食製造し、中央道のサービスエリアなどでお土産品として飛ぶように売れていた。
しかし、観光客が動かなくなった影響から、信玄餅の売り上げがほぼ無くなってしまっているという。信玄餅は、全体の売り上げの7割を占めており、50人がかりで2つの場所に分かれて製造していたが、そのラインも止めざるを得ない状態。
現在多くの従業員に出勤日数を減らしてもらっているとのことだ。
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■暇になった時間を新商品の開発に
そんな中でも、職人の技を守るために新たな新商品の発売を始めた。「普段は、忙しくてなかなか新商品の開発に時間をかけることができなかったが、暇になった分をそこに回すことができた」とツイッター担当の小野氏は語る。
「塩レモンどら焼き」は、どら焼きの中にムースが入っている。通常ムースは、ゼラチンを入れて固めるが、この商品は泡立てたレモンとチーズのクリームに、寒天を入れて固めているため独特の食感を楽しめる。1日約50個の限定販売で、発売以来大好評だという。
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■2度おいしいお菓子が話題に
今、SNS上で話題となっているのが、「琥珀糖(こはくとう)ミント」。
乾燥中の琥珀糖が置いてありました。
飴を砕いたように見えますが、寒天ゼリーの表面だけを乾燥させたお菓子です。
ネット通販で人気があり、このご時世の稼ぎ頭なんですが、Twitter的にも絵が映えるので非常に助かります。 pic.twitter.com/auLmi8qruB
— 金精軒 (@kinseiken_jp) August 2, 2020
まず砂糖をたくさん溶かしてゼリーを作る。これを腐らないように時間をかけて丁寧に乾燥させると、溶け切らなかった砂糖がゼリーの周りにあめの膜を作る。食べた瞬間はあめだが、それが溶けるとゼリーを味わえる2度おいしいお菓子だ。
琥珀糖は全国の和菓子店等で作っているが、その色は店独自のオリジナルだそうだ。金精軒では、夏限定で発売し通信販売でも扱っており、1週間に約100個ほど売れている。