元ベイビーレイズJAPAN大矢梨華子 「アイドルだったから歌える歌詞がある」

1stミニアルバム『一恋一会』をリリースした大矢梨華子にインタビューを実施。アルバムに込められた想い、シンガーソングライターとして曲を作り歌っていく上での気持ちの変化など話を聞いた。

2020/08/13 09:40



■“僕”が思い浮かべる“君”はいつも笑顔

―――今回は、大矢さん自身もMVのディレクションにも携わったとのことなのですが、「特にこのシーンは良かった」と思ったところを強いてあげるとすると、どのシーンになりますか?

大矢:最後に浴衣を着て花火をするシーンがあるんですけど、このシーンはけっこう無理を聞いてもらっていて。撮影時期が2月くらいだったので、まず浴衣をレンタルするのが大変でした。


―――浴衣を着て撮影するのも寒い時期ですしね。

大矢:愛美に「寒い寒い」言いながら着てもらいました(笑)。あと、浴衣が花火の柄なんです。これがちょっとお値段もなかなかで。「CD絶対に売るんで!」ってお願いして、この柄にしてもらったんです。スケジュールもカツカツやった中で、本当にいろいろ無理を言っていたなと思います。


でも、この浴衣を着て花火をしてるシーンを見た瞬間、やっぱり“僕”が思い浮かべる“君”はいつも笑顔で、本当に“僕”のことを好きでいてくれたんだということを、改めて気づかされたので、私がかわいいと思う愛美をたくさん詰め込んだMVなんですけど、最後のシーンが特に好きですね。


―――浴衣の柄が花火というのは気づかなかったし、次から観たときは「大矢さんが無理言ってたところや」と思いますね(笑)。

大矢:「こだわってたんやなあ」って思ってほしいです(笑)。着付けもYouTubeを観ながら「こうじゃない?」と言いながら自分たちでしたので、その手作り感も見てもらえたらと思います。


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■THEラブ人間・金田康平と共同制作

―――THEラブ人間の金田康平さんと共同制作した「恋ってなんなんでしょね?」は一週間で完成した楽曲とのことですが、どのような作り方をされたんですか?

大矢:グループ時代からお世話になっている「富士フイルム ワンダーフォトショップ」という原宿の写真店で、去年の年末に写真展を開いたんですけど、その初日から最終日まで1週間の期間で曲を作ろうって企画をまず立てたんです。


じゃあ誰と作ろうとなったときに、ちょうど同じ時期に「下北沢にて」というサーキットイベントで、THEラブ人間さんのライブを観て、すごくファンになった直後だったので、ぜひ金田さんと一緒に曲を作りたいですとお願いしたところ、「面白そうだね」って快く引き受けてくださって。「一週間でなんですけど」と言ったら、やっぱりちょっとだけ考えられていましたが(笑)。


「じゃあ作ろうか」と一日目に入ったときに、私はこういう詞を書きたいというものを箇条書きで持っていったんですけど、まず「そういう作り方ね」となりました(笑)。


その箇条書きの一番上にあったのが“正直言うとね、全然、顔がタイプじゃないの”って歌詞で、金田さんが「この一行目を見たときに曲の全部が見えた」と言ってくださって。


―――曲の冒頭からウッと来る歌詞だと思いました(笑)。

大矢:私は全く悪意なく書いてたんですけど、金田さんも「これけっこうキツイね」とおっしゃっていました(笑)。それから、一日目は「どうやって芸能界入ったの?」「どういう仕事をしてきたの?」とか、まだ知り合って一ヶ月くらいだったので、すごくたくさんお話をして。


そういう話の中から、私が『ラブベリー』っていうファッション雑誌の専属モデル出身だから、歌詞に“愛のベリー”ってフレーズを入れようとか、私がビールがすごく好きって言ってたので、「私は高いビールを飲むけど、あなたは一番安い発泡酒でもいいよね?」という風にわがままな女の子を歌詞の中で表現していただきました。


あと、自分の作詞で“私”って歌うのが恥ずかしいという話もさせてもらったら、「絶対入れようよ」って(笑)。でもやっぱり”私”は恥ずかしかったので、“あたし”にしてもらったんです。

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■歌詞の書き方が変わった
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