元ベイビーレイズJAPAN大矢梨華子 「アイドルだったから歌える歌詞がある」
1stミニアルバム『一恋一会』をリリースした大矢梨華子にインタビューを実施。アルバムに込められた想い、シンガーソングライターとして曲を作り歌っていく上での気持ちの変化など話を聞いた。
■新型コロナの影響受けライブが延期
―――新型コロナウイルスの影響でワンマンライブが延期になったり、アルバムをリリースすると決まった当初に想定していた伝え方ができなくなったのではないかと思うのですが、いかがですか?
大矢:今年の1月から3月まで修行という期間を設けて、ギター1本で全部のライブに出たり、4月のワンマンライブのための準備をたくさんしていたので、やっぱり落ち込みましたね。
本当に3月の終わりまで準備をしていて、ちょうどバンドのメンバーとリハーサルをしている最中に、開催できないってことを知らされたので、「えっ…」みたいな。
このアルバムのリリースも6月から8月に延期になって、空白の時間がすごく長くなっちゃったんですけど、久しぶりに音楽活動がまたスタートして、改めて「アーティスト・大矢梨華子ってこうだったよなあ」と思いながらレコーディングをしていると、ファンの方に伝えたいことや、アルバムを一人でも多くの人に届けたいという思いがこみ上げてきて、号泣してしまいました。
8月中にオンラインリリースツアーも控えてるんですけど、「絶対来てね」とはちょっと言いづらい状況のままなので、このアルバムがみなさんと私を繋いでくれてる唯一のものなのかなと思うと、今はCDがすごく大事になる時期なのかなって。
CDを出す人も少なくなってると聞くんですけど、私がアルバムをこのタイミングで出せるのは、やっぱりいつも応援してくださっているみなさんのおかげだなと思うので、このアルバムを聴いて「またライブいきたいな」と思っていただいたときに、私はいつでも100%のパフォーマンスをできるように準備をしようと思いました。
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■いい意味で凝っていないアルバム
―――音楽への向き合い方にも変化があったのかなと思うのですが、いかがでしょう?
大矢:そうですね。家にいていろんな音楽に触れる時間がこれまで以上にあったんですけど、絶対そういう意味じゃないのに、「今私たちのこの状況を歌ってくれている!」と思うことが多かったですね。勝手に重ねてました(笑)。
そういう意味で言うと、アルバムに入っている「何億光年」も、私の中では過去のことも現在のことも全部を肯定してくれるような未来を目指しているという、けっこう前向きな歌詞なんですけど、メロディがちょっと寂しいこともあって、ファンの方は「これを聴くと泣いちゃうなあ」って。
音楽って聴く時期によって聴こえ方が変わって、全然共感できないと思っていた曲も今聴くと「めっちゃいい曲」となることもあると思うので、今このタイミングでアルバムを聴いてもらうことで、また違った風に受け取ってもらえるのかなとも思いますね。
―――『一恋一会』は5曲通してパワフルなので、やっぱりどこか鬱屈した雰囲気があるこの時期に聴いて、元気をもらえるアルバムになっているのかなと思います。
大矢:私も意識していたんですけど、バンドメンバーさんにも「ライブやと思ってレコーディングしてください」とお願いしていたので、パワフルな感じが出ているのかなと。あとは飾らないというか、いい意味で凝っていないアルバムになっていると思います。
なので、みなさんにとっても、ちょっとでも明日頑張ろうって思ってもらったり、今日は頑張ったってときに聴いたりしてもらえる一枚になれば嬉しいです。