夏に怖い話をする謎に迫ったチコちゃん ルーツは江戸時代の歌舞伎にあった
『チコちゃんに叱られる』で夏に怖い話が楽しまれる理由を紹介。起源は江戸時代にあった。
■歌舞伎の芝居小屋で…
江戸時代、庶民にとっての1番の娯楽は、歌舞伎の芝居小屋だった。人気役者の名前が連なり、ほぼ1年中大盛況。しかし、そんな歌舞伎小屋でも客が寄り付かなくなる時期があったという。
それは夏で、当時はもちろんクーラーもなかったため、炎天下の芝居小屋は驚くほど暑くなった。夏にはさらに毎年恐ろしいことが起こった。暑さが原因で人の入りもよくないため、ベテランの人気役者がどんどん夏休みを取ってしまう。
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■若手のために
しかし、小屋を開けないと給料の安い若手の役者まで食べさせることができないため、しかたなく歌舞伎を続けていた。若手の役者は芝居が下手だった。
そんな若手の演技を見るために暑い中見に来る客もほとんどいなかったのだという。そんな中、どうやったら客を呼べるか話し合っていた。
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■大がかりな演出でカバー
夏といえば「ヒヤリ」とするエピソードということで、昔から行われている盆狂言を歌舞伎にアレンジすることになった。演技力の足りない若手の役者のために、大がかりな演出を加えて怖い演目を仕立てあげた。こうして「涼み芝居」が誕生。
1804年に初演された歌舞伎「天竺徳兵衛韓噺」が舞台の建物を崩し倒す「屋台崩し」や本物の水を使った「早潜り」など、大がかりな仕掛けがふんだんにつかわれた演目が人気を博し、全国的になったのだという。
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(文/しらべぇ編集部・Aomi)