年内解散総選挙に向け一気に動き出した与野党 野党は消費税減税を争点に据えよ
立憲民主党・国民民主党が合流する新党でも取りざたされる消費減税。次の総選挙の争点になるか。
■石破氏の戦略に誤算も
自民党総裁選は、全国で党員による予備選挙が実施されることとなった。党員に根強い人気があるとみられていた石破氏だが、誤算もある。新聞社がポスト安倍にふさわしい人物として行った調査では、菅義偉官房長官が石破氏をリードしている。全国紙の自民党担当記者は語る。
「それまでの調査では石破氏が圧倒していただけあって、同陣営にとっては今回の調査はかなりショックだったようです。石破氏としては党員票で圧倒した勢いで国会議員にも浸透するという戦術でした。
党員票でも菅氏に差をつけられれば、来年の総裁選の芽もなくなってしまう。そこで、劣勢を挽回すべく、石破氏が消費税減税を旗印にする可能性も出てきた」
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■次期総選挙の争点は消費税に
次期総選挙の争点が消費税減税となると予想するのは前出の堀田喬カメラマンだ。堀田氏はれいわ新選組会見後、山本氏に次のように諭した。
「3日の夕方にゲリラ的におこなった御茶ノ水駅前の街宣活動を私は遠くから見た。事前に一切告知していないのに、多くの人が足を止めた。私はあなたがまだ人気であると確信した。やはり、消費税廃止を前面に出していることが大きいんだと思う。野党の旗印を消費税減税にしようとする提案は間違っていない」
田中角栄首相からも可愛がられた超ベテランカメラマンが、その臭覚で消費税減税が有権者に浸透すると嗅ぎ取っているわけである。
■野党の進むべき道
しかも、石破氏が提案できても、自民党は掲げられない政策である。石破氏が「諸費税減税の検討」を口にしただけでも、自民党議員の圧倒的多数は猛反発する。そう考えれば、野党の進むべき道は自ずと明らかになろう。
消費減税もしくは凍結・廃止を前面に掲げて大同団結し、選挙の争点とする。コロナ禍で冷え切った消費を喚起するためにも、この主張は正当性がある。総選挙に向けて走り出した政界で、野党が賢明な旗印をかかげることを願う。
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(取材・文/France10・及川健二)