南部鉄器でゴジラや恐竜の鉄瓶ができる秘密とは 話題の「革命家集団」を直撃
南部鉄器の革命家集団の正体とは… 製作の秘密について聞いた。
社会科の教科書にも登場する、歴史ある「南部鉄器」は、岩手県南部鉄器協同組合連合会の加盟業者によって作られているもので、年間生産額は約92億円。そんな中、教科書のイメージを覆す鉄瓶が話題を呼んでいる。しらべぇ取材班は、製作者からその秘密について聞いた。
■革新的な鉄器を追求
南部鉄器工房及富(おいとみ)は、1954年に日本で初めて南部鉄器をアメリカへ輸出させることを成功させた。創業172年の老舗でありながら、革新的な鉄器を追求し続けている。
3年前にトリケラトプスの南部鉄器を作ったんだけど、3つの角からお湯が出るようになっています。
機能性度外視ですねなんて言われることもあるんだけど、そんな時はお湯が3倍早く出るんですよ。と返しています。 pic.twitter.com/iQsMqqQiT4
— 菊地海人|南部鉄器工房及富 (@kaito_kiku327) October 21, 2020
SNSで話題を呼んでいるのが、トリケラトプスの鉄瓶だ。これを製作したのは、専務の菊地章氏だが、アイデアを持ち込んだのは奥州市に20年在住のイギリス人彫刻家だという。この斬新なデザインは、最新の「3D砂型プリンター」が可能にした。
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■最新技術と伝統の融合
通常は職人が思い描いたものを、粘土や石などで鋳型(いがた)を作り、それに鉄を流し込み、鉄器を作っていく。トリケラトプスの場合は、最先端の鉄の研究をしている岩手大学理工学部などと連携し、3D砂型プリンターを使い、パソコン上で鋳型を作った。
最先端のデジタル技術と伝統ある鋳造(ちゅうぞう)の融合で、どんなデザインの鉄器をつくることも可能になるという。