虫歯治療に行ったら勝手に銀歯を入れられた… 法律的に問題はある?
虫歯の治療を受けていたら、何の説明もなく銀歯にされてしまった相談者。この場合、法律的に問題はある?
「歯」はその人の印象を左右する重要な部分であり、歯科治療では見栄えの良さを重視した治療方法を選択する人も少なくないはずです。
歯科医院での虫歯の治療をめぐって起きたトラブルについて、実際の事例をもとに、留意点やどう対処すべきかを、齋藤健博弁護士に聞いてみました。
■選択肢を提示されず銀歯に
相談者は、歯の痛みを訴えて病院に行ったところ虫歯と診断されました。そこから治療を行うことになったのですが、治療に関する選択肢を提示されず銀歯を入れる治療が行われたといいます。
このことに、相談者は「インターネットで調べたところ、セラミックなどの治療法もあるとのことなのですが、治療前に私に確認はありませんでした」と、銀歯以外の選択肢の提示や治療に関する説明が行われなかったことに疑問を抱いている様子。
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■法的に問題はある?
ーー相談者の事例のように、銀歯やセラミックの確認を行わず、治療を行うことは法律的に問題はないのでしょうか。
齋藤弁護士:十分な説明、方針に関する合意形成をしなければ、説明義務違反に基づく責任追及はあり得ると思います。ただし歯科医院では、書面等で合意をすることなく、複数の選択肢を提案したうえでの処理をする歯科医師は、外科手術などに比較すると少数かもしれません。
疑問に感じたら、そのうえで説明を求めていくのが原則でしょう。その後、結果責任を追及するのは難しいでしょうから、説明義務を十分に果たしていたのかが争点になります。