苫小牧発のフェリーにくじらが乗ってきた? レーダーに映らなかった謎を直撃
創立50年を迎えた太平洋フェリーに起きた衝撃のできごと。その詳細が取材で判明した…
苫小牧港を21日19時に出港し、15時間かけて仙台港を目指していた太平洋フェリー所属の「いしかり」。そのフェリーが仙台港に着岸しようとしたとき、驚きの光景を港にいた社員が目撃した。いったい何があったのか。しらべぇ取材班は、太平洋フェリーの担当者を直撃した。
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■船体の前方に黒いものが
定員777名のフェリー「いしかり」は、その日約240名の乗客と乗用車・貨物を約300台乗せて航行していた。翌日の午前10時ごろに仙台港に入港中に、陸上の船首側で待機していた社員2名が、船体の前方に黒いものを発見。着岸作業中に「クジラではないか」と目視で確認したという。
10/22仙台港に定刻で入港した「いしかり」から送られた画像です(1枚目)。
着岸直前に陸上社員からバルバスバウに鯨が乗ってないか?との事で確認すると…
直ぐに関係官庁・専門機関にご報告をし、体長12mを超える「シロナガスクジラ」だと判明。滅多にない出来事で乗組員も驚いています。 pic.twitter.com/c0jUFGxwz1
— 太平洋フェリー (@taiheiyoferry) October 24, 2020
古くは戦艦大和の時代から、波の抵抗を減らすために前方に設置されているバルバスバウのくぼみにクジラが乗っていた。入港後本社から港湾事務局・水産庁等へ報告。その後、潜水士を手配し、2人で縄をかけタグボートで船体から引き離したという。
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■すでに死んでいたニタリクジラと判明
調査の結果、これは「ニタリクジラ」と判明。くぼみに乗る前にすでに死んでおり、死後1週間ほど経っていると推定された。通常、海面にいるものは、レーダーに映るが、今回は映らなかった。
その理由について、「おそらく海中に沈んでいたか、海面に出ている部分が少なかったと思われる」と担当者は話す。クジラに衝突した場合、衝撃を感じるケースもあるそうだが、今回はまったく衝撃がなかったという。