トランプ劣勢に不正選挙を主張する日本のネトウヨ ユダヤ陰謀論者と重なる既視感
トランプ支持と不正選挙を訴える陰謀論。ネトウヨと反ユダヤ主義の奇妙な一致が…。
■「不正選挙」という既視感
筆者はこういう書き込みを見て、既視感を覚えてしまった。不正選挙を訴えたことで記憶に残るのは、オウム真理教の教祖だった故・麻原彰晃だ。麻原は1990年の総選挙で真理党を率いて自身も出馬。杉並区・中野区・渋谷区からなる激戦区・東京4区から立候補した。
結果は1,000票台の大惨敗。麻原は「真理党の基礎票は1万あった。それが消えた」「国家権力によって票の不正操作があった」と主張した。
次に不正選挙が大声で叫ばれたのが、2012年総選挙。これは一冊の本になるほどで、不正選挙を信じてやまない人は少なくない。その本とは陰謀論者リチャード・コシミズ氏による『不正選挙 未来の党は勝っていた』。
コシミズ氏はトランプ氏と同様、不正選挙が行われると事前に予言。そして、開票中に不正選挙を訴える報告が次々にコシミズ氏のもとに届けられ、開票の立会人を務めたという少なからぬ人たちから票の操作が行われたという趣旨のレポートが届けられた。
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■度重なる陰謀論
真偽不明の「不正選挙」を証明(?)する情報がリアルタイムで表に出てきて、ネットで内輪で盛り上がる様子は今回の米国大統領選挙のようだ。
2012年総選挙は自民党の圧勝だったが、じつは小沢一郎氏らが作った「日本未来の党」が本当は勝ち、政権交代が行われていた、とコシミズ氏は主張する。
ちなみに、コシミズ氏は2004年の米国大統領選挙も不正選挙だったと同著で言及。ジョン・ケリー上院議員(オバマ政権で国務長官) vs ジョージ・W・ブッシュ大統領の闘いだったが、電子投票に不正があり、ケリー勝利だったのに結果はブッシュの再選になったと指弾している。