「コロナの影響で手術が止まった」と悲痛な叫び その実態を医療現場に直撃
各地の医療機関が逼迫する要因とは何か。現場スタッフに解決策を聞いた…
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大阪市立総合医療センターの若年がん病棟が12月上旬に一時的に閉鎖することが明らかになるなど、各地の医療現場の逼迫度を増している。そんな中、北海道の看護師がSNS上に悲痛な叫びをあげた。
■2つの要因で手術がストップ
北海道医労連・道東ブロックによると、釧路市内で新型コロナの影響から手術が止まってしまっている病院があるという。その要因の1つ目は、日本整形外科学会などが出している、手術に関するガイドラインだ。その中には外来手術や生命を脅かすことがない手術は延期すべき書かれている。
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— 北海道医労連・道東ブロック (@tm5FjjkAgTNk3VK) November 29, 2020
2つ目は、マンパワー不足で、特に地方はギリギリの人数で現場を回しているという。そのため、医療スタッフが新型コロナウイルスに感染し、また濃厚接触者が自宅待機になると、たちまち普段通りの診療が不可能な状況に陥る。
結果的に手術の延期や入院患者受け入れストップにつながってしまうと話す。
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■学費の安い看護学校を減らし続けた結果
北海道保健福祉部は、2019年11月に第8次北海道看護職員需要推計を出した。その中で2025年の看護師需要は約8万6千人と見込まれているが、2018年時点での実際の就業者数は約7万8千人で、約8千人の隔たりがある。
「学費の安い道立の看護学校を減らし続けたことが、深刻な看護師不足の要因になっている」と北海道医労連はみている。