ホタルイカを生で食べることは危険? 食中毒を発症させる「旋尾線虫」の正体を直撃

あまり目にしない・聞き慣れない「旋尾線虫」とは。最悪の場合、腸閉塞を引き起こすことも…

2020/12/11 10:00


ホタルイカ
(bonchan/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

厚生労働省によると、2019年の食中毒件数は1,061件・患者数は約1万3千人で、死者も4人出ている。原因食品としては、魚介類・魚介類加工品が、全体の26.6%を占めている。そんな中、「ホタルイカを生で食べることは危険」と話題になっている。しらべぇ取材班はその真相を追った。



■人気がある刺身用の生ホタルイカ

ホタルイカは一般的に3月から5月が旬で、北陸地方などでは、春の味覚として楽しまれている。また、スーパーなどでは主にボイルしたものが売れており、旬の時期は生のまま店頭に並ぶこともある。

また、各種通販サイトでは、「刺身用・生ホタルイカ」が通年で販売されており、人気を得ている。しかし、生のホタルイカには「旋尾線虫(せんびせんちゅう)typeX 幼虫」が潜んでいることがあるのだ。


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■最悪の場合、腸閉塞に

国立感染症研究所によると、「旋尾線虫typeX 幼虫」の大きさは5~10mmで、ホタルイカやスルメイカ、アンコウなどの内蔵に寄生している。

アニキサスのような体形をしているが、肉眼では見つけにくいのが特徴だ。また、この成虫の実態が不明であるため、「type X」という仮の名前がついている。

この寄生虫に感染すると食中毒症状を起こし、嘔吐や腹痛などを発症する。また、腹部がミミズばれになったり、最悪の場合、腸閉塞を引き起こし手術が必要なケースもある。実際に腸閉塞になった症例も51例報告されている。


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■都内スーパーで販売のホタルイカから

国立感染症研究所が、かつて東京都内のスーパーで生食用として販売されているホタルイカを3回に分けて購入し検査した。すると21尾パックそれぞれに1尾から2尾、旋尾線虫感染イカが含まれていることがわかった。

これを受けて厚生労働省は、2000年に各都道府県などに対して、生食用ホタルイカの取り扱いについての通達を出し注意喚起を行った。

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